ワルシャワから、長距離バスでポドラシェ県の県都ビアウェストクへ、ビアウェストクについた頃には、ヤノフ村方面へ向かうローカルバスはすでになくなってしまっていたので、ホテルの息子さんたちが迎えに来てくれました。
そして翌日、早速朝からテレサさんの工房で織物講習が始まりました。
この講習では、織りを中心に、糸紡ぎから、整経(せいけい)、綜絖通し、筬通しなど、ひと通りの作業を、一人一台の織機をもち、テレサさんの指導のもと、理解しながら教わり、最後には自分で織れるようになるまでを目指します。
計7日間のヤノフ村での日々。
それでは、はじまりはじまり!
糸車で糸紡ぎ。足で糸車を踏んで回しながら、手で羊毛から糸を引っ張りだしていきます。同じ太さの糸を紡ぎだすことはもちろん、手と足と頭を同時につかわなければいけない作業。糸紡ぎは、羊の毛や植物を人が使うためのモノに変える作業。自然の恩恵をヒトの生活に取り入れる作業であり、すべての基本である糸を紡ぐという作業というのは、とても尊く、糸紡ぎは瞑想の時間でもあるように思いました。
整経:糸の長さをそろえて経糸を準備する作業。二重織りの織物は、たて糸に2色、緯糸(よこいと)に2色の糸を使用します。テレサさんのところにある、この整経ようの道具は100年もの。とてもよく使い込まれている道具でした。
織物の幅にあわせて糸の束を作っていきます。
先ほどのたて糸の束を整経棒からはずして二人がかりで、織機にセットします。
この作業で目を数え間違えていたり、糸がちゃんと綜絖の目に入っていなかったりすると、あとあと織っている時に不具合が生じてきます。集中して数百のいとを通していくのですが、これは目と腰に来る作業!この作業だけで1日以上を要しました。
糸の色や織物の幅、織りたい柄など参加者の方たちの各々の希望を聞き、それに合わせた経糸をセットしてくれたテレサさん。型にはまった織物講習ではなく、あくまで個人の希望を最大限に聞き入れてくれ、技術にそった指導をしてくださいました。
綜絖の後は、これまた大変な筬通し(おさとおし)を行い、やっとこれで織れる状態になりました。一週間の講習ですが、みんながここまで来るのに2日-3日を費やしました。これで、もし自分で使う分の糸を紡がなければならなかったら・・・と思うと・・織物は、織り始めるまでが8割といわれているそう。織り始めることが本当に大変なのを身をもって知りました。
大変な、整経や綜絖通しなどの準備作業ですが、テレサさんの工房を一歩出ればこの光景。心が癒やされないはずがありません。
工房にはこのかわいいテレサさんの孫のマルティンカも飛び回り、賑やかで楽しい日々でした。
次は、難解な二重織りに挑戦していきます。
つづく~
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