2015/10/29

SLOWARTツアー ヤノフ村の二重織りに挑戦


浅草チェドックザッカストアで開催中の、ヤノフ村の織物展2015-2016はおかげさまでご好評をいただき、連日たくさんのお客様にお越しいただいています。

今週末からはヤノフ村の二重織りを学べるワークショップがはじまります。ワークショップはあいにく、すべての回で満席となっており、新規受け付けはできない状況なのですが、開店中のお店の一角でやっておりますので、お越しいただいたお客様は覗いてみてください。




その二重織りですが、今年の夏に開催したヤノフ村のツアーの際には、参加者のみなさんは、一人一台の織機をもち、村の二重織りを最年長の織り手であるテレサ・プリズモントさんから1から学びました。 織りたい色や、サイズ、模様などすべて織れる範囲で自由に自分で決めさせてもらいました。


みんなで、悩んで教えあっているところ

テレサさんが「理解するのだけでも最初の3日はかかる」と言っていた通り、4枚綜絖(足で4本の板を踏みながら、その都度綜絖を上下させて織る面を出していきます)の織機を操り、その都度模様の柄をピックアップし、糸を変えながら織っていく作業(書いていてもよくわからない!)には本当に四苦八苦でした。

ヤノフ村の二重織りについて少し説明します




まず二重織りという名前のとおり、経糸(たていと)に濃淡二色の色をはります。この写真では、上に白糸、下に赤糸が張られています。そして横糸にも濃淡2色の色を使います。経糸、横糸は違う色でもOKで、そうすることで、織りあがった時の色にとても深みが出ます。



先ほどの足もとにあったペダルを踏むと、綜絖が上下し、このように糸と糸の間に隙間ができます。このとき、下の糸を平たい棒で模様にしたい部分を選んでピックアップします。(底辺の糸というのがヤノフ村の織物のみそで、ここがスウェーデンやベラルーシの二重織りと違うところで、ヤノフ村の織物をさらに難しくしています)



こちらも棒で模様にしたい部分をピックアップしているところ。通す緯糸は何色か、今はどのペダルを踏んでいなければいけないのか、を常に考えながらやらなければいけません


棒を通して模様のピックがすんだら、緯糸を通します

さらに足のペダルを踏むかえて、緯糸を返します

そしてやっとトントンと打ち込むことができます。

この作業、ヤノフ村のベテランの織り手さんたちは頭の中に完璧にはいっている図案をもとにいとも簡単にやってみせますが、どれだけ複雑で大変なことなのか、私たちは理解するのに(テレサさんの言葉どおり)3日を要しました。

村の古い織機を借りて織っているので、力加減や度重なるやり直しなどで、糸が何度も切れてしまい、それを直すのに小一時間かかったり・・・なかなか作業は思うようにすすみません。



そのたびにテレサさんは、根気強く糸を直してくれ、「大丈夫ですよ」「焦らないで」と励ましてくれ、自分でできた時には「すごい!」「よくできたわね」と喜んでほめてくれました。

最後には通訳でいた私を介さずともみなさん完璧に織りを通して心が通じ合っていましたよ。それってとてもすごいこと。素敵な国際交流です。

テレサさんのかわいい孫のマルティンカも毎日私たちのいる工房に遊びに来ていました。



そうこうして一週間かけて織りあがった織物。フリンジの作り方もしっかり教えていただき、自分で仕上げを。

参加者のみなさんの作品一挙公開!






もちろん、最初はテレサさんに大部分を教えてもらいながらの織りですが、最後のほうはみなさん自分でどんどん織っていました。一週間でここまでできるようになるなんて、本当にすごい!

このツアーの企画を立てたのは、ヤノフ村の織物の技術を絶やしたくない、いろいろな人に知ってほしいと思ってのこと。参加者の一人であった秋元さん(もともとはスウェーデン織りの先生)が日本での企画展の際にワークショップをしてくれることになったり、沖縄の紅型作家の新垣さんは、紅型でヤノフ村の織りをテーマにした作品を作ってくれたり(これについては、また後程くわしく書きます)、参加者のみなさんは日本に帰国後も村で学んだ技術や感じたことを様々な形で表現してくれています。このツアーに申し込んでくださり、村に来てくれ本当に感謝です。





ヤノフ村の織物ツアーは2016年も開催予定です!

下記の予定で募集します(定員5名)

[期間] 201679日(土)-722日(金) (予定)
[場所] ポーランド・ヤノフ村・ワルシャワ・クラクフ
[講師] 年長の織手のテレサ・プリズモントさん
[内容] ○伝統的な羊毛の手つむぎや、
2重織りを学びます
       ○村の織り手さんたちや工芸家さんを訪問、農家でイチゴつみや料理体験をします
       ○ワルシャワで1泊、クラクフで3泊し観光します

[滞在先] ヤノフ村
9日間、ワルシャワ1日、クラクフ3
[通訳・補助]
SLOWART藤田泉
[価格] 
18万円を予定(参加者数によって変更有)講習・宿泊・交通・村での食事代を含みます。 *航空券代を含みません
       *ワルシャワまで各自でお越しください。ホテル到着後藤田が合流します。
[募集] 20161月20日お申し込み受付開始 お問い合わせ:SLOWART藤田 info@slow-art.pl







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