2011/02/21

<ポーランド一素敵な>村へ 6つのタマゴの物語1



東欧イースターエッグの世界展では、東欧5カ国、18地域、22種類数百点のイースターエッグを展示予定です。その中から、当ブログでは、6つのタマゴについて、その芸術に込められた物語をお伝えします。


6つのイースターエッグの物語、本日はこのエメラルドグリーンに染められたタマゴにほどこされた花模様のエッチングが素晴らしい、ポーランド・オポーレ地方のタマゴのハナシ。



私がこのイースターエッグ(ポーランド語ではPisanki/ピサンキ)に出会ったのは、去年の6月。プルドックという小さい街で開かれた民芸市でのことでした。作者はEdeltrauda Krupop(エデルトラウダ クルポップ)さん。彼女のイースターエッグに見とれる私に、「私の村は、ポーランド一素敵な村なのよ。いつか来なさい。」と声をかけてくれました。東欧のイースターエッグ展の企画を考え出した去年8月、エデルトラウダさんのピサンキをぜひ出展したいと思い、彼女の住む<ポーランド一素敵な>村、Kamień Śląskiを訪ねました。

<ポーランド一素敵な>村は、ポーランド西南部オポーレ県にある小さな村。1945年まではドイツの土地として占領されていましたが、戦後ポーランドに返還されました。そのため、今もドイツ系の人々が多く住んでおり、村の道路などはドイツ名とポーランド名で表記されていたりします。素朴で小さな村ですが、森があり、立派な教会や修道院があり、昔貴族が住んでいた宮殿などもあります。ポーランドの素晴らしい村として国から選ばれたこともあるそうです。エデルトラウダさんが村を自慢するのもわかります。

突然の訪問にもかかわらず、温かく迎え入れてくれたエデルトラウダさん。自家製のお菓子が出され、お茶が運び込まれ尽きることのないハナシが始まりました。家族のこと、自分のルーツの話、村のこと、ポーランドの亡くなった大統領の話・・・小一時間後、サンドウィッチはどう?オビアッド(ポーランドのdinner)はどうするの?・・となったところで、、「あのーピサンキを見せてください・・」と本題へ。「そうだったわね!」とイースターエッグがたくさん用意されている奥の部屋に案内してくれました。

オポーレの伝統的なイースターエッグは、染色したタマゴの表面をカッターの刃で削り細かい模様を描いていく、エッチングが見事なタマゴです。タマゴは殻にあけられた小さな穴から、中身が出されて殻だけの状態です。それをやさしく持ち、丁寧に丁寧に削って模様をつけていきます。(間違えたら取り返しが付かないので、とても集中力がいる作業でもあります)

細かな花の模様も、葉一枚一枚の線も、濃淡もすべてカッター一本で描いています。感動もの。






実演をするエデルトラウダさん。<動画>



「又来るのよ」「きっと又すぐ来ますよ。次は展覧会のお知らせをもって」と言い残し、エデルトラウダさんの家を後にしたのでした。先日日本での展覧会のお知らせをしたところ、とても喜んでくれました。又春になったら、<ポーランド一素敵な>村へ行こう。


エデルトラウダさんのイースターエッグは<東欧イースターエッグの世界展>で展示販売します。エデルトラウダさんの作品を実際に見にいらしてください。3/4東京チェドックから全国を順次巡回します!

<東欧イースターエッグの世界展>詳細:SLOW ART web


帰り道、石炭を積んだ何十両編成もの貨物列車に20分以上足止めを食う。これもゆっくりとした時間がながれる、ポーランド田舎の村の醍醐味なり;)

次回は、ウクライナ最古のイースターエッグを求めて。


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2 件のコメント:

  1. ブログ、おもしろいので、ぜひmixiのピサンキコミュニティーでも宣伝してください!あと、この前差し上げた自費出版ピサンキミニ冊子(?)の2巻を、作りたいと思ってるの。今度はピサンキ以外の卵も紹介したいし、もしよかったらその時は写真を提供してください……。

    航空券やっと取りました!また連絡します。

    返信削除
  2. >なっちさん
    コメントの反映が遅れてしまってごめんなさい!
    もう諸々の話は進んだあとだね。。協力できることがあれば、何でもいってください!

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