2013/02/21

おおきなかぶ 佐藤忠良編



こんにちは。先週くらいまでは、徐々に暖かくなってきていたポーランド。ポンチュキも食べたし、そろそろ冬が終わりに近づくか・・・と思いきや、今週は毎日のように雪が降り、今日も-8度。完全に冬に逆戻りでした。

娘は、ポーランドの冬生まれなので、マイナス気温や雪が続くと中々お散歩にも行けず、家の中で過ごすことが続いています。

家の中では、私の母がポーランドに来た時に持ってきてくれた絵本を色々と読んでやってるんですが、「おおきなかぶ」福音館書店 もそのひとつ。裏表紙には~読んであげるなら3才から~って書いてあるけど(まだ4ヶ月だけど・・)、ま、いっか。

とっても有名な大ベストセラーで、私も子供の頃読んでいたはずですが、娘に読んでやるようになって、大人の目線でみてみると、「おおきなかぶ」の佐藤忠良の挿絵がとっても素晴らしく、私自身は画集をみているような気分で読み聞かせしています。ダイナミックで、リアリスティック、ファンタスティックを併せ持っているような絵です。


うんとこしょ、どっこいしょ!(名訳!)

これ、もともとはロシアの民話で、絵本もロシアのおじいさん、おばあさん、孫、犬、ネコ、ねずみが描かれています。

日本人が描いたとは思えないほど、空気感まですっごくロシア的。ポーランドの田舎とはまたちょっと違うんですよね。うん、ロシア(2回目w)




佐藤忠良は、私でも知っているくらい、とても有名なブロンズ像の彫刻家ですが、調べてみたら「おおきなかぶ」をはじめ、いくつかの絵本の挿絵を描いていました。

ゆきむすめ 内田 莉莎子再話/佐藤忠良画 

子供のいないおじいさんとおばあさんが作った、雪でできたむすめが、ある日歩き出し、本当のむすめのようになり、、しかし夏が来ると又いなくなってしまうという話。「おおきなかぶ」と同じ内田 莉莎子再話/佐藤忠良画コンビのロシアの民話

ババヤガーのしろいとり 内田 莉莎子再話/佐藤忠良画

弟を白い鳥に連れ去られてしまったマーシャが、白い鳥を追いかけていき、ペチカや林檎の木やミルクの川に助けられ、やまんばババヤガーのもとから、弟を救い出すお話。ロシアの民話。これも、内田 莉莎子再話/佐藤忠良画コンビ



佐藤忠良が絵を描いた絵本は、ロシアの民話が多いんですね。なんでロシアにこだわったのか、彼の年譜をみてみると、戦後3年間シベリアに抑留されていたとの記載がありました。そして、これらは、彼がシベリアに抑留されていた時に聞いた、ロシアの民話だそうです。



佐藤忠良に「おおきなかぶ」の挿絵をお願いした、元福音館書店の松居直さんという方の講演記録に、佐藤忠良が話した「おおきなかぶ」の記載がありました。




佐藤先生の絵は隅から隅まで動いている。息遣いが感じられる絵です。それに生活感があります。シベリアで生活していらっしゃいましたから、ロシアの農民の生活感というのを実感としてもっていっらしゃる。佐藤先生は「僕は捕虜のときに紙もなくて書く鉛筆も何もなかった。だけど、毎日目でデッサンしましたよ」とおっしゃったのを今でも覚えています。「ちゃんと物を見て、そして自分の中でデッサンした。書くものはないけれど、毎日毎日デッサンした。」と。捕虜時代にそういうことまでやっていらしたのですね。だからすごいですよ。『おおきなかぶ』はそういう体験で出すことができました。






うーん、やっぱりそうだったのか。あの絵は、ロシアの田舎を実際に体験して(しかも、壮絶な体験)、心に描いた絵だからこそかけたリアリティと生活感に満ちた絵だったんだと、とても納得しました。

それにしても、必死のシベリア抑留という、二度と戻りたくないというような経験にもかかわらず、そんな中でも、芸術の心を忘れず、心に描き続け、日本に帰ってきてからはロシアの素晴らしく、温かい面を紹介したという、強い人だなと思います。


「強い人は優しい」というのは佐藤忠良本人の言葉



おおきなかぶ、次回にもひっぱります。次回はおおきなかぶ、ポーランド編


ただいま京都ではヤノフ村の織物展を大好評開催中!


京都恵文社一乗寺店

2013.2.15(金)-2.28(木)
京都市左京区一乗寺払殿町10
Tel: 075-711-5919 
営業時間:10:00~22:00 
定休日:無休
http://www.keibunsha-books.com/

*ちなみに、店頭販売終了後は恵文社さんのウェブショップでの取り扱いも予定しています。

ヤノフの織物に関する、お問い合わせ・ご注文は:infoアットslow-art.pl(アットを@に変換してください)までお願いします。

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2013/02/12

ヤノフ村の織物展@京都恵文社 新作ぞくぞく


オオカミの森 ルドガルダ・シエンコ

東京チェドックさんの展示では、今年も大好評を頂いた「ヤノフ村の織物展」、15日(金)からは京都恵文社さんのミニフェアコーナーで展示・販売が始まります。

チェドックさんで、ほぼ売り切れ状態だったクッションやコースターなども新たに織っていただいたものが、早速京都に届いています。

用意していたものに加え、ヤノフのおばあちゃんたちが、短期間に織ってくれた新作もたくさん並びますので、お近くの方も、この時期に京都に行くという方も!ぜひ遊びに来てくださいね。

恵文社さんに並ぶ予定の新作の数々を少しご紹介します。

鹿の森 ルドガルダ・シエンコ 

 鳥のなる木 アリチア・コハノフスカ

 ヘラジカ・バンビ・ウリボウ アリチア・コハノフスカ
大人気のこちらの柄の織物も一点だけ入荷してます!

バンビ・ウリボウ アリチア・コハノフスカ
こちらは少し小さめのバージョン 

幸せの木 ダヌータ・ラドゥルスカ 
ダヌータさんの大作。2012年、サイン入りです

畑仕事 アリチア・コハノフスカ

ダヌータさんの小さめクッションカバーの数々。いちいち柄が可愛くて一つを選べないですよ! 
オススメは花咲くネコかなぁ・・

 伝統柄 ルドガルダ・シエンコ

 ネコ・ネコ アリチア・コハノフスカ
猫好きにはたまらない、アリチアさんの新作

バンビ・イタチ アリチア・コハノフスカ 
バンビのクッションバージョン

キツネととりの森 ルドガルダ・シエンコ
キツネと色々なトリ、花や木が素敵なクッションカバー。遠くから見ると幾何学模様のように見えてデザイン的にもとてもかっこいいです。


この他にも、たくさんの織物を用意しています!
恵文社さんでの展示は今月15日からです。毎回のことですが、織物は柄も、色も、種類もすべて一点物ですので早めのお越しをおすすめしますー★



京都恵文社一乗寺店
2013.2.15(金)-2.28(木)
京都市左京区一乗寺払殿町10
Tel: 075-711-5919 
営業時間:10:00~22:00 
定休日:無休
http://www.keibunsha-books.com/

*ちなみに、店頭販売終了後は恵文社さんのウェブショップでの取り扱いも予定しています。

ヤノフの織物に関する、お問い合わせ・ご注文は:infoアットslow-art.pl(アットを@に変換してください)までお願いします。

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2013/02/08

イースターの足音近づく 春はすぐそこ


ポンチュキ 

今週のポーランド、気温もプラスになり雪も降らず、日中はおひさまが出る日も多くて、とても過ごしやすい週でした。このまま冬がおわってしまえばいいのに。

さて、2月7日の昨日は大きなイースター行事の一発目<tłusty czwartek-Fat Thursday-脂の木曜日>でした。なんだか、日本語の<脂の木曜日>ってすごい名前なんですが、これ昔は、節分のような日で、冬の終わり、春の始まりを祝い、お肉やワインを飲み、ポンチュキというドーナツを食べて祝ったそうです。今は、イースター前の粛清期間(四旬節)直前の木曜日。今日をさかいに、敬虔なカトリックの人たちはお肉を控えたり、パーティを控えたり、教会に足繁く通ったりと清く正しくイースターまで生活します。なので、前日はドーナツ食べて盛り上がっちゃおうぜ!っていう日です。

この日は、ポーランドでは「ポンチュキいくつ食べた?」が合言葉になり、とりあえずドーナツを食べ狂う日なんです。昨日は私もポンチュキを買いに散歩がてら、何軒かのケーキ屋さんやパン屋さんを回りました。我が家でも色んな種類のポンチュキを10個買って来ました。(食べる人数は2人・・)中味は、ローズヒップのジャムが大道で、アルコールが少しきいたカスタードクリームや、チョコ、マーマレードなどもあります。ポンチュキは、生地にスピリタス(アルコール度90%のウォッカ)を混ぜることで、揚げた際に、油が中の生地まで浸透しないというのを読みました。たしかに、そこまで油っぽくないので、どんどん食べられちゃうんですよ。それでも一つ200-300キロカロリーのカロリー爆弾。ひゃー危険。




でもね、ポンチュキ食べると春がくる気がするんです。

ポーランドに住み始めて5年。コチラの冬はやっぱり、とっても長い、暗い、寒い・・。イースターは春のお祭りです。そのイースターの行事の始まり、<脂の木曜日>いわく、ポンチュキの日は、そろそろ、冬が終わるなぁ、春になっていくんだなぁという気持ちが湧いてきます。

冬の間に溜まった、欲求不満を、ポンチュキにぶつけ笑、ポンチュキを食べれば食べるほど、春が早くやって来るような、気がしないでもないんですよ。



そんな、ポーランドの春をよぶ行事や伝統工芸品をたくさん紹介している展覧会、「ポーランド ~クリスマス・イースター展 ~冬をかざる・春をよぶ~」ただいま清春・旅と空想の美術館さんで好評開催中です。

以下展示中のイースターエッグの数々









今週末2月10日には館長清水さんのイースターにちなんだギャラリートークもあります。ぜひ、ポーランドの春を一足早く感じに、お越しください。


清春・旅と空想の美術館
408-0036 山梨県北杜市長坂町中丸1543-58 TEL/FAX 0551-32-8188
開館時間:10:0017:00
休館日:月・火・水 (祝日は開館)
入館料:大人500円 小中学生:300
交通:中央自動車道 長坂・高根ICから10分、JR長坂駅から車で5
新宿区民健康村グリーンヒル八ヶ岳入口北100




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