2013/01/08

ヤノフ村の織物展2013 ~マゾフシャ地方文様の復元~



ひきつづき、ヤノフ村の織物のお話を。

ヤノフ村には今も5人の織手さんがいます。みなさん、代々家族から受け継いできた織物の伝統を守っておられる、文化の紡ぎ手です。

詳しくは:5人の織手を訪ねて1  5人の織手を訪ねて2

去年の展示では、この全ての織手さんに織物を織っていただきました。よく見ると、どの織手さんがおる織物にも個性があり、誰が織ったものなのかわかるようになってきます。

ヤノフ村には、私も何度か行きましたが、この5人を訪ねてばかりで、てっきり他には機織り工房はないものだとばかり思い込んでいました。現に、ヤノフ村役場が発行するパンフレットにも5人の情報しか載っていないんです。


ところが昨年の6月、ポーランド南部であった民芸市に行った際、ヤノフ村の織物と同じ二重織りの織物を販売していた、ルチナさんという新しい織手さんに出会いました。

話を聞いてみると、ルチナさんはヤノフ村出身ではなく、近くの別の村の出身とのこと。ヤノフの織手さんと同じように、代々織物を受け継いで来られた方でした。

確かに、二重織りの織物は19世紀のはじめまではこの地方の多くの村で織られていました。ヤノフ村以外にも織手さんがいてもおかしくないわけです。ただ、ここでも今織りをしているのは、ルチナさんと、そのいとこのみとのこと。

やはりどこも、伝統の灯火は消えかかっています。

ルチナさんの織物




ルチナさんの織物で特徴的なのは、古いマゾフシャ地方の文様が織り込まれているところです。ヤノフやルチナさんの村があるのは、ポドラシェ地方。一方、その南のマゾフシャ地方にも18世紀中頃まで二重織りの文化がありました。しかし、やがてそれは廃れ、パターンのみがポドラシェ地方の各村々に受け継がれたようです。

マゾフシャ地方の伝統的な幾何学模様のパターン


ヤノフ村では織られていない、マゾフシャ地方の古い模様をルチナさんの織物には見ることができます。同じ地域でも、村が違うというだけで受け継がれているパターンが異なるというのを間近で見ることができました。

この出会いを大切にしたい。今回の織物展では、去年の5人に加え、ルチナさんにも彼女のみが織れるマゾフシャ地方の文様作品をいくつも織ってもらっています。








一枚一枚の織物もこうして見てみると、より貴重で珍しい織物に見えて来ませんか。資料集に載っている19世紀頃のマゾフシャ地方の織物などと照らし合わせながら、ルチナさんの織物を眺めてみると、脈々とつながってきた伝統を感じることができます。

展示中・販売中の織物にはすべて織手さんのネームタグが付いていますので、お店に行かれた方はどうぞ好きな織手さんを探してみてください。

ルチナさんのネームタグがある織物を見つけたら、これがあのマゾフシャ地方の模様なのね。フフフフとマニアックにほくそ笑んでみてくださいね。

ヤノフ村の織物に関する昨年の記事はコチラ

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「ヤノフ村の織物展2013」好評開催中です!


■チェドックザッカストア 
 2013.1.5(土)-1.20(日)
東京都千代田区東神田1-2-11
アガタ竹澤ビル404
 Tel03-6240-9500
営業時間12:00-19:00
 定休日期間中無休

京都恵文社一乗寺店
2013.2.15(金)-2.28(木)
京都市左京区一乗寺払殿町10
Tel: 075-711-5919 
営業時間:10:00~22:00 
定休日:無休
http://www.keibunsha-books.com/

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2013/01/05

ヤノフ村の織物展2013 ~美術館倉庫へ潜入~


本日1月5日(土)から東京チェドックさんで開催中の「ヤノフ村の織物展2013」、おかげ様でたくさんのお客様にお越しいただいているようです。

さて、ヤノフ村の織物展を開催するにあたり、以前ヤノフ村があるポーランドのポドラシェ地方に行った際、県立美術館に立ち寄りました。ここには、ポドラシェ地方をはじめ、今は廃れてしまったポーランド各地方の二重織りの織物(ヤノフ村の織物がこの二重織りの代表的なものです)がたくさん保管されているんです。

貴重な織物の数々ですが、残念ながら展覧会でもない限り、普段は美術館倉庫に保管されており観ることができません。ただ、折角、日本でヤノフの企画をするのだから、実際にコレクションを見てみたい!と常に思っていました。

そこで、ヤノフ村の織手さんに相談したところ、民俗美術科の主任研究員であるヴォイチェッフ・コヴァルチク(写真上)さんを紹介してくました。ヴォイチェッフさんは、二重織りに関する本を出版されていたり、ヤノフ村の織物コンクールの主催や、この地方の民芸、工芸品を広めるためにポーランド各地で民芸市やフェスティバルを企画されていたりと、織物の発展に大変貢献されている方です。

ヴォイチェッフさんに美術館のコレクションを見せてもらうことはできないかと電話をしたとこと、なんと二つ返事でOK!とってもラッキーでした。

・・・ということで、ビアウェストク・ポドラスキ美術館の倉庫へ大潜入。コレクションを拝見させていただくことに相成りました。



上にも書きましたが、二重織りの織物はヤノフ村以外にも、ポドラシェ地方やマゾフシャ地方のポーランドの各村々に伝統的にありました。ただ、現在も織手が残り活動しているのは、ヤノフ村のみです。この倉庫には、18世紀や19世紀に織られた各地方の貴重な織物の数々が保管されています。大きな木製の箱を開けると、出てくる出てくる、大作の数々。


1900年台前半に織られた、マゾフシャ地方の織物。シカや人と一緒に、空間いっぱいに織られている幾何学模様や枠部分の力強い植物のデコレーションモチーフが特徴的


ヤノフの織物は村の生活などを描いたテーマ性があるものもたくさんあるのですが、1970年に作られたこの織物は、サッカーや自転車に乗った人が織られている、珍しいもの。伝統的な花模様とのコントラストがかわいらしいです。


1960年台にヤノフ村の近隣の村の織りてさんが織った織物。人、花咲く様々な木、ひよこに、鹿模様の枠。ステキ要素がふんだんに入っています。


こちらは、1935年にブランスクというところでおられた二重織りの織物。ビビッドな色使いが特徴的


古いブランスクの織物はダヌータさんのお宅にもありました。こちらも派手な色づかリとバラ模様。同じポーランドの二重織りの織物でも、ヤノフのものとはずいぶん雰囲気が異なります。


コチラは1970年代にアリチア・コハノフスカさんが織ったヤノフの織物。シカや花咲く木々が可愛らしい織物です。

1982年に織られたヤノフ村のトリ模様の織物。よく見ると、同じトリ模様でも織手さんによって違いがあるので、面白い発見です。

今回の展示・販売作品は、美術館で見せていただいた作品を参考に作ってもらったものもたくさんあります。


メインモチーフを人気のある森柄、枠を色違いのトリ柄でアリチアさんに織ってもらったコレとか。枠使いがかわいいでしょ

 
倉庫で見せてもらったタペストリーにあった羊を参考にした、ダヌータさんに織ってもらったちょっと珍しいひつじ柄とか。


よく見るとかわいい実のなる木とトリとか

チェドックさんでの展示風景。この中のどこかにあるはず(随時販売もしているのでもしかしたらもう販売済みの可能性あり)。上のトリ柄はクッションになって写真に写ってます!探してみてくださいね。「ヤノフ村の織物展」20日まで、東京チェドックザッカストアで開催中です。


次回はこの織物展の作品を作って下さった、織手さんの紹介をします。

ヤノフの織物に関する、お問い合わせ・ご注文は:infoアットslow-art.pl(アットを@に変換してください)までお願いします。


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2013/01/04

ヤノフ村の織物展 2013


明けましておめでとうございます。昨年は娘も生まれ、クリスマス、年越しは初めてポーランドで過ごしました。クリスマスは、一大イベントのポーランドでも、年越しは花火とパーティーで、お正月は特になんのイベントでもなく、過ぎていきます。2日からどこも通常営業だし。やっぱり、お正月は日本が恋しくなります。

昨年は織物展、イースターエッグ展、切り絵展、ポーランド祭、などなどイベントずくめで、大変お世話になりました。今年も、ポーランド、東欧の民芸品など紹介していきたいと思っているので、どうぞよろしくお願いします。

さて、年明け第一弾は、以前にもお知らせしていました、「ヤノフ村の織物展2013」を昨年に引き続き、東京(チェドック)と京都(恵文社)で開催します!

実は、12月の上旬にポーランドから出した荷物が、外国郵便局のクリスマス混乱に巻き込まれ、その後、日本の年の瀬渋滞で、待てど暮らせど日本に到着せず、年末はこのことばかり考えて気をもんでいたのですが、なんと1月1日に無事到着しました。昨年の厄は落として、年明けから縁起がいい・・ということにしたいと思います。

と、いうことで1月5日(土)から東京チェドックさんで開催です!

昨年春から村の織手さん達と用意してきた今年の作品の数々。









ほんとうに、素晴らしくて、可愛らしいものばかりです。タペストリー、クッションなど種類、色、サイズ、柄、、昨年よりもだいぶ豊富に取り揃えています。一つ一つことなる作品の数々をどうぞ実際に手にとってお楽しみください。

今年は、昨年のヤノフの5人の織手さんに加え、近隣の村の織手さんには今は廃れてしまったマゾフシャ地方の織物の文様を再現して織っていただきました。その出会いやお話についても、ここで書こうと思っています。期間中、更新すると思うので、このブログも覗きに来てくださいね。


ヤノフ村の織物に関する昨年の記事はコチラ

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 2013.1.5(土)-1.20(日)
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