2011/04/27

震災の痛みとともに ~もうひとつのイースターエッグ展~

3月4日に東京から始まった<東欧イースターエッグの世界展>。300点近いイースターエッグがお店には展示され連日多くのお客様にお越しいただいていました。

3月11日、マグニチュード9の大地震が東北を襲った際、東京も震度5強の強い揺れに襲われました。チェドックのオーナーご夫妻は当時お店にはいらっしゃいませんでしたが、地震直後の混乱期にもかかわらずすぐにお店に向かってくださり、残りの商品が余震などで破損しないよう対応し、ポーランドの私に現状を報告してくれました。

皆が今まで経験したことがないような揺れだったという中、幸い展示台から転げ落ち、割れてしまったのは14個のみでした。(落ちても割れなかった強者もいたようです。イースターエッグが強いのは作った人の思いが込められているからかなぁなんて思いました。。)

ポーランドでも地震直後は連日のようにトップニュースで日本の状況が伝えられ、各地ではすぐにチャリティー活動が始まりました。私の知り合いのポーランド人オーナーの日本料理店でもチャリティーイベントを開催してくれることになりました。私もそのチャリティイベントで販売する鶴を友人と一緒に折りました。

糸で吊るした小さな鶴のトップには日本語とポーランド語で<愛><和><絆><桜><祈><希><心>などの言葉を書き込みました。


鶴を折りながら、日本のことを思い、割れたイースターエッグのことを思い出しました。これを会場で展示できないだろうか。イースターエッグはもともと復活や希望、勇気や繁栄などの願いが書きこまれたもの(詳しくはコチラ)。地震で傷を負った<祈りのタマゴ>として展示、チャリティ販売したいと思いました。主催者の承諾も得、日本の友人が割れたタマゴを再びポーランドに送り返してくれました。

届いたタマゴは直径5mmほどに砕け散っているものもありました。破損した一片一片の殻をボンドで貼り合わせる修復作業は私の祈りの時間でもありました。民芸家さんたちが製作時に書き込んだ祈りのメッセージに加え、このタマゴ達には日本の復興のメッセージも託しました。

クラクフの日本料理店<Kura蔵>で4月15日に行われたチャリティイベントには、たくさんのポーランドの方がお越しくださり、クラクフ在住のピアニスト、クロタキヒロシさんのリサイタルが行われ、鶴やイースターエッグも展示販売されました。地震のないポーランドでは、イースターエッグの傷はよりリアルな地震の恐ろしさを想像させるものとして捉えてくれていたようでした。

あれから一ヶ月以上がたちポーランドでは日本のニュースは少なくなってきました。しかし、このタマゴや鶴を買ってくれた人は、遠い地からもきっと私たちと痛みを共有してくれ、いつまでも地震のコト、地震で命を落とされた方々やつらい思いをされている方々のことを忘れないでいてくれることでしょう。

この場をかりて、東日本大震災によりお亡くなりになられた皆様に哀悼の意を捧げ、被災された皆様にここころからお見舞いを申し上げます。被災地の一日も早い復旧をお祈り申し上げます


この<祈りのタマゴ>はまだ少し残っています。もし気になるという方は、募金方法や発送方法などを書いてご返信いたします。下記メールアドレスまでご連絡いただけますでしょうか。国外発送も出来る限りしたいと思っています。
連絡先:info@slow-art.pl

又お知らせになりますが、本日から恵文社一乗寺店の期間限定ウェブショップにて<東欧イースターエッグの世界展>に展示されていたイースターエッグをいくつか購入することができます。この売上も一部をSLOWARTとして日本赤十字に募金させていただこうと思っています。
恵文社一乗寺店ウェブサイト:http://www.keibunsha-books.com/shopbrand/144/O/


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2011/04/25

一通のメールから始まった切り絵展@鹿児島


鹿児島の皆様。近隣九州の皆様。<ポーランド切り絵の世界展>は現在鹿児島、Good Neighborsさんで好評開催中です!

桜島を目の前に望む存在感抜群の石蔵の店内は、1Fはデザイン性の高い生活雑貨を集めたPlay mountain Kagoshimaとカフェ、2Fは地元デザイナー達のSOHOやブックショップ、ギャラリーとなっています。善き隣人たちが交流する場となるようにと名づけられたGood Neighbors。様々なイベントなども企画され、大人が楽しめるとても面白い空間です。

桜島!

九州新幹線が開通した鹿児島中央駅からバス・徒歩で15分。



<ポーランド切り絵の世界展>の鹿児島での開催は、Yさんという方から頂いた一通のメールから企画されました。昨年3月末までご主人のお仕事の都合でポーランドに住んでいらっしゃったというYさん。私と同じようにポーランド切り絵は初めて見た時からその魅力にみせられ、個人でも収集されていらっしゃるとのことでした。昨年9月、Yさんから鹿児島でもこの切り絵展を見る機会を作ってもらえないかという嬉しいメールを頂き、Good Neighborsさんの協力の元、今回の鹿児島展は開催に至っています。


ただ、残念ながらメールをくださったYさんへ開催をお知らせしようとメールを返信しても戻ってきてしまい肝心のYさんにご連絡が出来ていません。。

Y様、もしこのブログをご覧になっていらっしゃいましたら、もう一度ご連絡いただけますでしょうか。お願いします。今、ポーランドの切り絵の世界展は鹿児島で開催中です!ぜひご覧頂きたいと思っています。


■■ 鹿児島展 ■■
【会期】2011年4月15日(金)~5月5日(木)
【会場】 鹿児島 Good Neighbors
http://good-neighbors.info/
〒892-0823 鹿児島県鹿児島市住吉町7-1
Tel:099-801-8114
【時間】11:00~19:00
【定休】火曜日・第2第4水曜日
(ゴールデンウィーク期間中は休まず営業します)

(おまけ)
私は、今年の1月に部分開通していた<つばめ>にのって九州を旅し、九州と九州新幹線のファンになりましたが、このCMを見てさらに九州が好きになったなぁ。九州ってめちゃくちゃ楽しそうじゃないですか;)





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2011/04/24

イースターの日は

イースター前日の土曜日、ポーランドでは道行くひとはみなこのようなカゴを持って教会へ

切り絵でも。かわいいね。

かごの中身はタマゴ(玉ねぎの皮と一緒に茹でて赤く染まっています)、ソーセージ、パン、お菓子にお砂糖でできたひつじ、塩。ミーハーな私は自分のバスケットにパンのかわりにお米をいれて。

写真はwikipediaより
これを教会で神父さんが聖水をふりかけ祝別します

復活祭は十字架にかけられたキリストが再び復活したのを祝う祝日。キリストが復活した日曜日の朝が大切な時間となります。よって復活祭前の40日間(もしくは金曜日から)節制していた肉やアルコールがこの瞬間に解禁となります。朝御飯なのでスープや煮込み料理などは基本的にでませんが、食卓には大量のハムや白ソーセージ、サラダや卵料理、ケーキが並びました。

そして土曜に教会で祝別してもらったタマゴ。まずは、イエス・キリストが復活したことを喜ぶお祈りが捧げられ、その後このタマゴを家族同士で食べながら「健康や幸せ」などの願いを交わし合います。

リビングの飾り付けはこんな感じ

ピサンキに、羊に、パルマ

ハレルヤと書かれた羊のケーキ

イースターエッグ展のピサンキをイースター休暇中に訪れる各親戚に自慢

その後、夫家族は教会へ。私は家でお留守番。イースターの満腹リレーは月曜日の夜まで続きます。

(上)のイースターエッグが気になったという方はコチラ<東欧イースターエッグの世界展>
切り絵が気になったという方はコチラ<ポーランド切り絵の世界展>




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2011/04/22

イースターに向けて~ポーランドのゴルゴダの丘で~

2011年4月22日、聖金曜日。復活祭前の金曜日でイエス・キリストの受難と死を記念する日。復活祭はクリスマスよりも、宗教行事が多く特に復活祭(日曜日)のある一週間は何かと記念日と行事が続きます。敬虔なカトリック教徒が多いポーランド人は、それに対してとても真剣に取り組みます。


さて、聖金曜日。クラクフから30km程南にある聖地、Kalwaria Zebrzydowska(カルヴァリア・ゼブジドフスカ)にお参りに行ってきました。カルバリアとは、ラテン語でゴルゴダ(イエスが十字架に架けられた場所)をさす言葉。17世紀クラクフの県知事であった、ミコワイ・ゼブジトフスキが私財を投じてエルサレムに行かずとも、聖地巡礼ができるようゴルゴダの丘を模して作った聖地がKalwaria Zebrzydowskaだそうです。

木曜日の夜に行われる<最後の晩餐>劇

写真はdziennik Polskiより

ここでは、毎年聖金曜日にキリストのゴルゴダの丘で十字架にかけられるまでを再現する<受難劇>が行われます。ポーランド中はもちろん近隣国からも巡礼者が訪れ、聖金曜日の人では15万人ともいわれます。


今日は気温が25度まで上がった晴天だったこともあるのかないのか、、ヒトヒトヒト。カルヴァリア・ゼブジドフカは広大な敷地の小山や林の中に巡礼用のチャペルが点在しているのですが、それでもヒトヒト。どこに行ってもヒト。林や山中に響き渡るように、受難劇の朗読や聖書の朗読がスピーカーで流れ続けます。子どももお年寄りも若いカップルもみな静かに林のなかに腰をおろして耳を傾けていました。これだけの人なのにとても静寂で厳粛な雰囲気。 

ポーランドに来てからというものポーランド人の信仰心の深さやポーランンドの生活になじんだキリスト教文化を体験してきましたが、今日ほどポーランド人の敬虔な信仰心をまざまざと肌で感じたことはありませんでした。キリスト教徒ではない私にはわかりにくい部分も多いですが、なにかをここまで信じて祈るという行為は、たしかに尊いものです。

カルヴァリア・ゼブジトフカ、キリスト教徒にとっての聖地としての魅力はもちろん、里山散歩の魅力もあります。ポーランドでも桜に似た花(チェリーかリンゴか・・)が今週末は満開。とてもきれいでした。

つくしも!ポーランドにもつくしってあるんですねー。

さて、我が家でもイエスが再び復活するまでの日曜日(復活祭)マデ、肉・アルコール禁止令が出ました。今夜はニシンかなぁ。

明日(土曜日)も復活祭カウントダウン行事が続きます。


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2011/04/20

イースターに向けて~イースターマーケット~


現在クラクフの旧市街広場では、盛大にイースターマーケットが開催中(4/15~4/25まで)です。イースター(4/24)の日に向けて、イースターエッグを買い、教会で聖成をしてもらうタマゴやパン、ソーセージ、レースの編み物やそれを入れるカゴを用意し、ねこやなぎやウサギ、羊、ひよこなどの置物で家を飾りつけをするため、マーケットに来て買い出しをします。

春うららのお天気の中私もクラクフでひらかれた2つ(旧市街広場とカジミエッシュ地区)のマーケットに行ってきました。

ねこやなぎは春の訪れをしらせる木

そのねこやなぎでカゴをあむおじさん

イースターの日に食べられる羊(ひつじはイエスキリストのシンボル)ケーキ

その他ニワトリ、ウサギ、ひよこなんかもイースター系アニマル

日本の屋台でも売れるんじゃないだろうか。カラーひよこ(私は見るたびにこれを買ってしまい、我が家にはどんどんカラーひよこが増えています・・)

ここからは怒涛のタマゴラッシュ

クラクフ周辺でよくみられる木彫りのペイントエッグ

こちらは、<東欧イースターエッグの世界展>でも展示中のバドヴィツェのエッチングエッグ

ネットエッグ

アーティスト系ペイントエッグ

やっぱりイースターエッグは自分で作ることに意味がある!と。中身を抜いた殻(ニワトリ)・殻(アヒル)

さらに殻(七面鳥)

ペイント用の木製エッグも

輪になって踊り

合図とともにお願い事がかかれた風船が舞い上がりました

昨日行った中央駅は帰省のチケットを購入する長蛇の列が。イースターはクリスマス同様家族で過ごす重要な休暇です。

今週の聖金曜日は、Kalwaria Zebrzydowska(カルヴァリア・ゼブジドフスカ)に行ってきます。さて、ポーランドのゴルゴダの丘で、金曜日に何が起こるかは次の記事で。


*SLOW ARTでは現在<東欧イースターエッグの世界展>を全国巡回で開催中!
ポーランドはもちろん、東欧各地のイースターエッグがご覧になれます。
詳細はコチラ 関連記事はコチラ

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