2010/11/28

ポーランドとウクライナのそっくりなフォークアート(petrykivka painting)


クラクフにも今シーズンの初雪が先週木曜日に降りました。これでも、例年に比べるとずいぶんと遅い降雪です。ただ木曜日に雪が降って以降は、ぐんと気温も下がり、日曜日の今日などは太陽が出てるにも関わらず、-4℃です。こうなってくるとなかなか家から出られなくなってくるものです。。

さて、家に引きこもっている今日この頃、知り合いのウクライナの民芸アーティストが、東ウクライナの<Петриківка/Petrykivka/ペトリキフカ>という小さな村が発祥のペトリキフカペインティングという、デコラティブアート(装飾画)について教えてくれました。これが、なんとも今年の夏に訪れたポーランドのザリピエ村の伝統模様にそっくりだったので驚きました。

ウクライナ petrykivka村の家の中に描かれた花模様

ポーランドzalipie村の家

Petrykivkaの壁画

zalipieの壁画

ザリピエは以前にも書いたとおり、ポーランド南部の小さな村です。この村のFelicja Curylowa/フォリチア・ツリウォーバ(1904-1974)という農家の女性が1900年代の初めころ自宅の壁にペインティングをしたのが、ザリピエの民俗画の始まりです。それに、先立つこと約100年余り、東ウクライナの土地にコサック人のPetryk(ペトリック)とその一行がたどり着き、ここに住み始めます。これが、ペトリキフカ村の始まりでした。ペトリキフカ村の農家の女性たちは、自宅の壁や道具にペイントをするようになります。ペトリキフカ村の農家に生まれたTetyana Pata /タチアナ・パタ(1884-1976)も幼い頃からこの装飾画を習得し、子育ての傍ら絵を売り、生活を支えます。彼女やその他の名もなき芸術家達のおかげで、小さな村のアートであったペトリキフカペイントは後世ウクライナ中で知られるようになります。

タチアナ・パタと彼女のペトリキフカペイント ウクライナの切手

ペトリキフカペイントのモチーフは、ザリピエ村の絵と同じく、農村が発祥のフォークアートということもあり、日常生活にある花や鳥などです。ペトリキフカペイントにおける、赤、黄色、ダークブルー、緑というビビッドなカラーは、東欧文化の特徴でもあります。

場所は違えど、ほぼ時期を同じくして始まった、ポーランドザリピエとウクライナペトリキフカのフォークアートは、それが東欧の農民文化だということ、担い手が女性だということなどは同じです。農家の女性たちが始めた素朴で美しいフォークアートをウクライナにも見に行きたいなぁと思いました。

おまけ

ソビエト時代に発行された、この本にはペトリキフカの花柄に囲まれてレーニンの肖像が・・




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2010/11/21

(やればできる・・)SUSHI パーティ in Poland


週末は、SUSHIパーティでした。サーモンとアボカドのカリフォルニアロール、焼肉・ナムルの韓国太巻、タマゴとかにかまの軍艦巻きにねぎとろ、マグロとサーモンの漬けにぎりなどなど・・少し食材不足をごまかしつつ、王道の江戸前寿司なんかより喜ばれたりして。。

まぁSUSHIは見た目よりも作るの結構大変なんだよってことが少しは伝わったかな。。手作りのお品書きも、見たこともないものを目の前にしたポーランド人には、役立ったようだし、結構喜んでくれました。 <週末雑記>



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2010/11/19

クラクフ・サイクリング・スナップ!!!

先月新装オープンしたスキエニッツァ

11月ももう後半だっていうのに雪が降るどころか、今日の気温は15℃で快晴。気持ちがよかったので、週末のSUSHI(スゥシィ)パーティの材料調達も兼ね、旧市街までサイクリングしてきました。私の住まいはクラクフ郊外なので、旧市街までは8kmの道のり。スナップショット満載でどうぞ(笑)


市内地そばのヴィスワ川沿いは、サイクリングロードがあり平日はとても気持よく走れます。休日は、散歩好きなポーランド人が鈴なりに歩いているので、少々危険です。

川辺で水鳥にえさをやっている人がいました。白鳥もまだたくさんいる。そろそろ温かい国にとんでおいき

船の水上バー。金曜の午後に15℃だったらまだ外でビールのむよね

ヴァヴェル城。ヴィスワ川からのショットが一番かっこいいと思う

フロリアンスカ門のところにある絵画市。クラクフ名物

プランタ(旧市街広場周辺の緑地)とプレッツェル屋さん。これもクラクフ名物。プレッツェル屋さんの白衣がいい味

馬車停の客待ち馬車と聖マリア教会

中央広場では、もうクリスマスマーケットの準備をしていた。(クラクフのクリスマス市は11/27~)

目玉をもつteatr groteska (グロテスク劇場)の宣伝オブジェ・・その奥にはショパンピアノ。色合いといい、なんだか絶妙(笑)

これもショパンイヤーにちなんだインスタレーション・The Fallen Piano by Aleksander Janicki。スピーカーからはノクターンが流れてました。

さて、このあと駅のそばのガレリアにあるアジア食材やさんで冷凍マグロの柵も買い込み、週末の<ポーランド人に日本のスシを食べさせる会>のための買出しを終え、帰路につきました。16時過ぎに家につく頃には、既に真っ暗・・でした。




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2010/11/13

SLOW ART的インテリアのススメ<その2>


SLOW ART的インテリアのススメ<その1>に続き、ポーランドの若手デザイナーやアーティストによる、伝統文化、民芸品のリデザインインテリアを紹介します。(上)はJoanna Rusinのレース編みデザインのカーペット。

modern wall のモダンヴィチナンカ(切り絵)ウォール。シール状になってるみたいです。

Louise Cambell の切り絵、レースデザインのいす。彼女はポーランド人じゃないのですが、モチーフがポーランド的なので。

↓は、VOXという家具チェーンのNOWY FOLK DESIGN シリーズ

壁には、以前紹介したPiotr Sikora(ピオトル・シッコラ)とPiotr Bondarczyk(ピオトル・ボンダルチック)の写真も

VOXは、若手デザイナー養成、発掘のため毎年ニュー・フォークデザインの「ポーランド土産」コンクールも行っています

今年の最優秀賞はOla Szymanskaの「フォークリズム」

これは、私が個人的に好きだった、民族衣装を着たヒトタチのベル。Martin Ebertの作品

ポーランドでは、伝統のデザインを若手デザイナーや企
業が積極的に取り込んでいるのが印象的です。長い年月をかけて磨かれてきた<伝統>というデザインは、時代によりその形を少々変えようとも、最もその土地に暮らす人々の心をとらえるデザインなのだと思います。伝統は、そのままの形で「継承」することも大切ですが、新たにそこから「創造」することはより大切なことかもしれません。


開催中の「ポーランド切り絵の世界展」
でも、young polish folk design展示中です! (福岡は、来週火曜日までです!)

Karolina Szeląg(陶器)・Goshico(バッグ)


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2010/11/10

SLOW ART的インテリアのススメ <その1>


本日は、SLOW ART的インテリアのすすめ。家を建てたり、リフォームするなら、以前にも紹介した生粋の田舎の古民家のような家やインテリア↓も悪くないのですが、

伝統の民芸やフォークロア文化をモダンに取り込んだインテリアはどうでしょうか。Gazeta.plのサイトでは、ポーランド各地のデザイナーたちのFOLK MODERNデザインの数々が紹介されていました。

ポーランド切り絵フィーチャリングのTシャツ:Tiszert(音注意)。ザコパネの民族衣装の柄をアレンジしたランプ:DOM i DOMEK。

切り絵(フロントの写真の物も)は、ブロツワフのアーティストKasia Kmitaのもの。彼女の切り絵は、コマーシャルデザイン風にアレンジされていて、面白いです。ウォビッツの民族衣装のスカートの柄をアレンジしたティーカップは、Ewa Zamorska。

切り絵デザインのカーペット:moho design

フォークモダンデザインは、歯ブラシにも!:beza projekt

デザイン業界の<温故知新>は、次記事<その2>につづきまーす。


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