素朴なシャツに花柄のスカートというシンプルな民族衣装を着ているのは、ヴロツワフが県都でもあるDolnośląskie (ドルノシロンク)地方の女性たち。ドルノシロンスク地方は歴史的には、長くドイツの土地だったこともあり、ポーランド的な民族衣装というよりは、ドイツの影響を受けているのでしょう。
とても特徴的なこの民族衣装は、Wielkopolska ヴィエルコポルスカ県の衣装。襟元のレースとヘッドアクセサリーがとても可憐。
ここで、ポーランド民族衣装の歴史を少し:
宝石が使われ、民俗文化の粋が集められた民族衣装はとても高価なもので、家族代々の遺産として扱われていました。民族衣装は、単に土地や祖先への帰属を表す衣装というだけではなく、素晴らしい民族衣装を身につけることは社会的ステータスと富のシンボルともなっていたのです。
近年ポーランドでは、フォークロアフェスティバルや、村の行事の際以外には民族衣装を日常的に着るということがなくなっていますが、クルピエ地方やウォビッツなどでは今も結婚式や子供の洗礼式の際、キリスト教の行事の際なども頻繁に民族衣装が登場します。各地域には、必ずと言っていいほど土地の民謡やダンスを踊るフォークロアグループや民芸家さんがおり、現在は彼らを中心に伝統文化が守られています。
ただ、民芸家さんたちは概ね高齢・・ポーランドの民芸文化にすこしでも関わるものとしては、心配でもあります。
さてさて、民族衣装名鑑に戻りましょう。
マゾフシャ県Kołbiel地方の民族衣装。ポーランドの民族衣装によく見られるのが、赤いサンゴのネックレス。19世紀の終わりにイタリアから輸入されたサンゴでネックレスを作っていました。とても高価なものだったため、赤いガラスビーズでサンゴに似せて作られたネックレスなども多く出回りました。
こちらは、レース編みの村として有名なKoniaków (コニャクフ)の衣装。以前、このブログでもコニャクフ村の紹介を書きました(コチラから) 。コニャクフレースの特徴は、丸い花模様の連続レース。既婚女性がかぶるレース編みのキャップが特徴的です。この地方の既婚女性は夫以外の男性に対しては髪の毛をこの帽子とスカーフで隠して見せないという伝統があります。どこの国でも髪は女性の命ですね・・
コニャクフのレース
マゾフシャ県から来た家族。小学生くらいの女の子からおばあちゃんまで、ばっちり民族衣装が似合っています。 民俗衣装とは、その土地の人の生活や文化、伝統に密着しているものだから、年齢は選ばないものなのですね。
カジミエシュドルネのフェスティバルで出会った、様々な土地の人たちを紹介してきましたが、民俗文化が色濃いポーランド、この他にもまだまだ沢山の個性的な民族衣装があります。又、別の機会にも紹介したいと思っています。
おまけ:
↑は、別のフェスティバルで出会った方々。ポーランドではなく、招待された他の国のフォークロアグループです。一見1枚目と2枚目の写真は、全く別の国の民族衣装のように見えますが、同じ国の人たちです。どこの国の人たちか、わかりますか?
答えは次の投稿で;)
ギリシャかキプロスかトルコ!
返信削除マケドニアかと思ったけれど
もっと南方の国かなって思いました。
気のせいかもですが、もしかしてヒントが映っていたりしますか?(^^;
noriさん
返信削除おぉ!すごいさすがーー。
そうそう、おじさんの後ろに青と白の縞模様が見きれています。といったら、もうそこしかないですよね;)