2014/03/28

ポーランド共産主義下のヒッピー・ムーブメント


トルンの民族博物館で今月末まで開催中の<Peace Love i PRL>という展覧会に行ってきました。今回は、この展覧会の会場で、1歳半までの赤ちゃんの為のワークショップをやるというので、私の1才4ヶ月の娘を連れて。

この展覧会のテーマはポーランドの60年台、70年台の若者のヒッピー・ムーブメントに。灰色の共産主義社会から、カラフルなアメリカに憧れ、新たな価値を模索する、当時の若者たちの価値観が詰まった展覧会でした。一つ一つの部屋の作りこみもしっかりしていて、当時を知らない私もタイム・トリップした気分に浸ってきました。



当時の典型的なアパートの一室の様子。いまとなっては、東欧雑貨屋さんのようなノスタルジックな雰囲気でとてもかわいかったです。

ワークショップでは、イスやソファーに座ってみたり、テレビをつけてみたり、当時の本をめくってみたり、生活の体験を。



ティーネージャーの部屋。正面の壁の右側のNiemenというのは、60年台から活躍していたポーランドのロック歌手、チェスワフ・ニエメン。長髪にカラフルな装いでヒッピーの代表的な存在でした。壁にはその他にもビートルズなどたくさんの写真。

ワークショップの娘はパンダが気になってしょうがなさそうでしたが・・


当時のロックバンドの写真コーナー。当時人気だったLP版がたくさん飾られているコーナーもあり、赤ちゃん集団は、学芸員の方の許可のもとレコードを引っ張りだして遊ばせてもらいました。




こちらは、70年台のキオスクの様子。雑誌はもちろん、文房具や子供のおもちゃ、日用雑貨品など当時の人達が使っていたものがどんなものだったのか、ひと目で分かるようになっていました。これも今では東欧雑貨屋さんでプレミアものの雑貨品ばかりなんだろうなぁ・・




当時のバー・カフェの様子。オランジャーダという、オレンジ味の甘い飲み物がよく飲まれていたよう


映画館。たくさんの手描きポスターの数々



当時の中央トルン駅。機関車だったんですね。たくさんの荷物をもって若者たちはロックコンサートやヒッピーキャンプにでかけました。

赤ちゃん集団はここでも荷物の中味などをあさらせてもらい・・・


最後は、ヒッピーキャンプ体験。当時のフォークソングをギターで弾き語りしているのを聞いたり、一緒に踊ったり、寝転がって愛と平和を語ってみたり笑、私にとっても、娘にとってもなかなか楽しいワークショップでした!

Lokalny pejzaż kontrkultury. Peace, Love i PRL
Muzeum Etnograficzne im. Marii Znamierowskiej-Prüfferowej w Toruniu
Wały gen. Sikorskiego 19 , 87-100 Toruń

http://www.etnomuzeum.pl/kontrkultura


2014/03/26

灰色の街をアートで再生 ポーランドのストリートアートプロジェクト

Natalia Rak ビアウェストク

ポーランドは戦後からの共産主義時代のなごりから、どこの町でも80年台までに建てられた建物は、建築効率最優先、デザイン性0の<ブロック>と呼ばれる灰色の薄汚れた建物が大半を占めています。

共産主義と聞いて薄暗ーいイメージを持つのもきっと、食べ物や日用雑貨の配給券を握りしめて、この灰色の建物の前に並ぶ行列を思い浮かべるからかもしれません。

とにかく、ポーランドの町並みを支配するこの灰色の建物群は、過去の負の遺産でしょう。


Etam Cru ウッジ

その<ブロック>の窓が小さく、壁面だけが大きく、色味がなく、四角四面のデザイン性0という要素を逆手にとり、近年ポーランド中で、ストリート・アート、壁面アートのプロジェクトやフェスティバルが多く開催されています。

それも、歴史的に工業都市として発展したが、灰色の陰鬱な町とされてきた、ウッジやカトヴィツェ、ビアウェストクなどの多くの地方都市で開催されるようになりました。

町を現代アートで飾ることによるイメージアップや、まちおこし、ポーランドの若手アーティストへの支援が目的にあります。

OTECKI ウッジ

工業都市として栄えてきたウッジは、現在は映画、デザイン、現代アートなどポーランドでも最先端の現代文化都市となってきています。

Etam Cru ウッジ

このまちでは、Urban Formsという壁画アートのプロジェクトにより街中に30以上のアート物件が出来上がっています。ミューラルペイント(壁画ペイント)マップなども存在し、散歩がてらウッジの街に点在するこれらのアート作品を探すのも楽しそうです。このプロジェクトは今も進行中で、さらに多くのアート作品が誕生する予定です。

 M-City ウッジ

 Etam Cru ウッジ

 INTI ウッジ

KRIK ウッジ


炭鉱の街を多く抱える南部シレジア県の県都カトヴィツェでも昨年ストリート・アートフェスティバルが開かれました。ポーランド中はもとより、世界中からグラフィティアーティストが集まり、多くのミューラルアートが生み出されました。このフェスティバルでは壁面アートの他にも、野外ライブや子どもたちのためのワークショップも催されました。

Peter Fuss カトヴィツェ 

 SŁAWEK ZBK CZAJKOWSKI カトヴィツェ

spYカトヴィツェ

 SŁAWEK ZBK CZAJKOWSKI カトヴィツェ


最後に、紹介するのはポーランド東北部にあるポドラシェ県の県都ビアウェストクのWOAK(県立文化会館)主催の<Folk on the Street>というプロジェクト。フォークロアをテーマにしたストリートアートが多く誕生しました。記事冒頭のナタリア・ラクによる巨大壁画もその一つ。ポドラシェ地方の民族衣装を着た女の子です。このプロジェクトでは壁画だけではなく、路上でのストリートパフォーマンスや、インスタレーションなども行われています。

壁画には、ポーランドのレース編みを模した作品や、糸車を回す女性を描いたものなどもあります。




灰色の街をアートで再生するプロジェクト、ポーランド中に広がっています。ポーランドだからできるプロジェクト、とも言えるかもしれません。新たなポーランドの街並みを生み出し、若手アーティストが育つ風土も生み出すこのプロジェクト、今後も期待です。






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2014/03/23

ポーランドのイースターマーケット開催!


春の訪れを告げるお祭り、イースター(復活祭)。今年は4月20日です。ポーランド各地では、これにあわせ、イースターマーケットやピサンキ(イースターエッグ)やパルマ(イースターの椰子飾り)のコンテストが開催されます。

日本でも、今年は、大分のカントリーマーケットさんでポーランドの春いっぱいのイースターマーケットを開催します!

イースターの日を飾る、イースターエッグやポーランドのイースターの伝統的な飾り物や雑貨品、イースターの日の食卓を飾る伝統的な陶器の数々。。キリスト教の行事であるとともに、春を盛大に祝う、明るく華やかな商品の数々が並びます。


今回は初めて、ポーランド陶器のチェラミカさんとの共同主催で、マーケットにはたくさんのポーランド陶器も一緒に楽しめます!ポーランドのハンドクラフトと陶器が同時に楽しめる初めてのイベントです。

どうぞ、大分の方、お近くの方、旅行で行くよって方!<ポーランドのイースターマーケット>にお越しください!

Jarmark Wielkanocny
 ポーランドのイースターマーケット
期間:4月17日(木)5月2日(金)

   

カントリーマーケット

大分市中央町3-6-29
布屋ビル2F
Tel:050-3444-2545
営業時間:11:00-19:00
定休日:火曜日

http://countrymarket.jp/










2014/03/21

ポーランドのお水取り?冬の女神のお焚き上げ


今日3月21日は春分の日でした。春分の日にふさわしく、ポーランドは晴れ渡り、20度近い温かい一日となりました。今年の冬は本当に短かった!

さて、3月21日に毎年ポーランドの各地方の村々では、<マジャンナを焚き上げる、溺れさせる>行事というのが行われます。なんだか、おどろおどろしいのですが、このマジャンナとは、キリスト教が入ってくる前の土着信仰の時代から存在していた、冬や死、災いを象徴する女神のこと。



3月21日の春分の日、村の人や子供がわらや、ボロ布、リボンやビーズ(結構派手!)でマジャンナの人形を作り、この人形を燃やしたり、水につけることで冬の災いや不幸を葬り、春からの豊作と幸福を祈る儀式をします。

この風習はポーランド以外にもスロバキアやチェコにあるそうです。東欧各地のマジャンナ↓

 チェコのマジャンナ

 スロバキアのマジャンナ

 プラハ・カレル橋を行進するマジャンナ

ポーランドの子どもたちが作ったマジャンナコンテストのマジャンナ



マジャンナを持った一行は村の家を一軒一軒まわり、その途中にある水たまりや水辺の水にマジャンナをつけてまわります。そのマジャンナを夜に焚き上げるのだそう。

まぁこれは、昔の風習で、今はマジャンナの行事は幼稚園生や小学生の校外学習の場になっています。

 無残・・

春よ来いーーー

<この風習にもいろいろと迷信があります>

-水に浮いたマジャンナを触ると、触った手が腐ってしまう・・・
-マジャンナの儀式から帰るときにはお互いの顔を見ないこと。病気や災いが降りかかってしまう・・

などなど。死神マジャンナ様の呪い恐ろしや。みなさんも気をつけてください・・


さて、このマジャンナのお焚き上げの行事が終わった次の日はガイックとよばれるもみの木で作った飾りを掲げながら歩きます。冬をしっかりと送り、春が来たことを告げるのです。



と、いうことで、長い長い(今年は短かったけど・・言わせて)ポーランドの冬も終わり!これからイースターを迎え、新芽が芽吹き、鳥達が戻ってくる、爽やかないい季節になっていきます。この素晴らしい春と初夏があるからこそ、冬を乗り越え、ポーランドに住んでいてよかったなぁと思えるのです。(マジャンナ、さよなら!4月に呪いで雪ふらせたりしないでねーーー。)








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2014/03/12

今シーズン最後!ヤノフ村の織物 期間限定ウェブ販売中!


本日3月12日より、4月12日まで期間限定でヤノフ村の織物を恵文社さんのウェブショップで販売しています。今シーズンの販売はこれで最後になります!気になっていたけど、展覧会にいらっしゃれなかった!という方は、どうぞウェブショップをのぞいてみてくださいね。

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