<東欧イースターエッグの世界展>開催に伴い、当ブログでもイースターエッグの魅力をお伝えしていきたいと思います。本日はまず、
「イースターエッグってそもそもなに・・・?」から。
今でこそ、キリスト教イースター(復活祭)のシンボルとなっている東欧スラブ地域の゛イースター゛エッグですが、実はその歴史はキリスト教がこの地域に広まる遙か以前のスラブ民族の太陽信仰の時代にさかのぼります。
クラクフ国立博物館に展示されている、ポーランドで発掘された<światowid(光の神)>。自然崇拝・多神教であった時代のスラブ地域によくみられる神の像。4つの顔をもつ、豊作や戦争を司る神。
太陽が全知全能の神であったこの時代、人々は太陽に最も近づける鳥たちを神の使者として崇めたてました。又、鳥のタマゴは神聖な<生命の源>であるとされ、人々はそのタマゴに願いをこめて装飾することで神に祈りを捧げました。
やがて、太陽信仰の時代が終わり、キリスト教がヨーロッパ中に広まるとタマゴに装飾をする文化は、<イースターエッグ>として残ります。イースターの朝、人々は教会で祝福をうけたタマゴを食べ、キリストの復活を祝い、家族の健康や幸福を願います。
キリスト教イースターエッグのシンボルカラーは赤。その由来は、十字架にかけられたイエスの受難を表しているとも、マグダラのマリアの家のタマゴが奇跡で赤くなったとも。。諸説は色々・・
日本語では英語名から<イースターエッグ>と復活祭のエッグを指し示して言いますが、それよりも古い歴史をもつ、東欧地域では<pysanky(ウクライナ), pisanki(ポーランド)>など主に<書かれた物>という名前が付いています。これは、やはり太陽信仰の時代に願いを込めて、様々なシンボルやモチーフを<書き込んだ>なごりだからではないでしょうか。又、ヨーロッパの中でもタマゴに装飾をする伝統をもつ地域は、この歴史を共有するウクライナやポーランド、チェコ、ハンガリー、ルーマニア、リトアニア、ドイツの一部などすべて東側の地域だけです。
時代がかわり、宗教がかわり、ひとの暮らしがかわましたが、イースターエッグ、いやpisanki(ピサンキ)は人々の思いを込めて作られる祈りのタマゴなのです。
<次回予告>
さて、次回はこの6つのタマゴ、ひとつひとつのタマゴのアーティストを訪ねる旅にでかけます。ポーランド、ウクライナ、ルーマニアの良き村の伝統へご招待します。
<東欧イースターエッグの世界展>は、2011年3月4日から開催です!
詳細はコチラ:SLOW ART web
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