2012/09/26

ポーランドのスープ シリーズ 1 ~ロスウ(コンソメ)~


秋のポーランド、良いお天気の日が最近続いていますが、朝晩はぐっと寒くなって来ました。寒い日は美味しいスープが食べたくなるもの。ポーランドはスープ大国。美味しいスープがたーくさんあります。我が家で作るスープを少しづつシリーズで紹介していきたいと思います。

第一弾のスープは、一番の基本のロスウ(ポーランド語ではRosółロスウ)、コンソメスープ。簡単ですが、時間をかければかけるほど美味しくなります。

このスープはもっともオーソドックス、ポピュラーで、家族の集まりや、コース料理なんかで一番見かけるスープです。大鍋にたくさん作り、いいトリのダシがでたら、2日後はトマトスープなんかにしてもいいですよ。

~材料~

<ガラ>
鳥ガラ 一羽分
牛すじ/牛骨 (あれば)←ちがう種類のお肉を混ぜることで味わいがよくなります。

<香味野菜>
人参        1本
玉ねぎ       1こ
パースニップ   1本
セロリの根っこ 小1つ
ポロ葱(普通のネギでも)1本
ニンニク 1かけら

<スパイス>
オールスパイス(粒状) 4-5粒
ローレル 2枚
コショウ粒 5-6粒くらい
味付けの塩・コショウ
乾燥ポルチーニ(隠し味) スライスを2-3枚

鍋は4.5L用の鍋を使ってます。 (全ての材料をいれて、かぶるくらいの水。2.5Lくらいかな)



ポーランドでは、どんな店でも必ずおいているスープの基本野菜、人参・パースニップ・セロリの根っこ・ポロ葱。日本では、パースニップやセロリの根っこが少しハードルが高いですかね。私は、日本に住んでいるときは、これが中々手に入らなかったので、ポーランドからこれらの<干し野菜>を持ってきて使っていました。

根っこが、やはり濃い味がでますが、もちろんセロリの葉の部分でもいいです。

ロスウはあまりコツなど必要ないスープですが全体を通して絶対に沸騰させないこと!!これさえ守れれば大丈夫でしょう。




1. お湯がわいたらまず、お肉系のガラをいれて、アクが出てこなくなるまでコトコトと煮ます。アクがかなり出てくるので、こまめにとりのぞいて。


2.澄んだスープになったら玉ねぎ以外の皮を向いた香味野菜とスパイス類をすべて入れます。にんにくは、包丁の裏でつぶして。


3.フライパンに油をひかず玉ねぎの表面を炙ります。直火のコンロであれば、玉ねぎをアルミホイルで包んで、焼いてもいいです。甘みがでておいしくなります。ある程度全体的に焦げ目がついたら、2のスープの中へ。


4. ひたすらコトコト弱火で煮ます。理想は次の日の晩御飯用に、前の晩に仕込んでおくこと。最低4時間くらいはコトコトがんばりましょう。

沸騰させてしまうと、折角のスープが白濁してしまいますので、気をつけて。


5. 塩・コショウで味付けしていただきます。味がどうしても薄いという場合は、コンソメキューブを少し足してもいいです。


6. ポーランドでは、ロスウように短くて細いパスタが売られています。スプーンですくってたべられるように。(もちろん、パスタも手作りが一番ですが!)パスタを茹でて、スープの人参を少量取り分け、パースニップの葉やセロリを少々飾って出来上がり。


とりあえず、大鍋に作って2日目とかが一番ダシがでておいしくなります。残ったコンソメで、ポーランド風トマトスープzupa pomidorowa(これはとっても簡単!)を明日作ってみます。


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2012/09/20

コニャクフ村のレースやポーランドのアンティークレースの話


ポーランドのレース編み。日本では、切り絵を作られている方よりも、織物をされている方よりも、ピサンキを作られている方よりも、<レース編みを自分でなさる方>が圧倒的に多くて、私のところにも時々、ポーランドのレース編みについて問い合わせがあります。

また、ポーランドのコニャクフ村のレース編みは知る人ぞ知るレース編みとして結構通の間では人気もあるのでは。去年の今頃私も、ちょうどテレビ出演までしましたし。。。

詳しくはコチラコチラ

今回はパンツの話↑は置いておいて・・出展予定のコニャクフレースの画像など


コニャクフ村はポーランドとチェコの間にまたがるベスキッド山脈にある小さな村。何世代にもわたって、細い綿糸で編むレース編みが村の女性達の間で伝えられてきました。
模様の特徴としては、花模様の連続が多く、とてもフェミニンで繊細なレース編みです。

上の写真はコニャクフのズザンナさん。今年初夏のお祭りで会いました。ズザンナさんが着ているのは、コニャクフの民族衣装。これにレース編みの帽子をかぶったりもします。





 今回は、企画展をやるほど数量がないけれどちょっと個人的に集めていたポーランドのアンティークレースも少し送りしました。リネンのものや綿のものなど色々ですが、風合いも手の込みようもとても素敵です。ホントは売りたくないんだけど・・どうぞー。

 クロス

クッション


テーブルクロス

ポーランド祭いよいよ明日からですね。今日大使館からプログラムをいただきました。会場では、ポーランド産商品物販や食べ物屋さんの他に、ポーランド映画の無料公開やショパンコンサートなんかもあるようです。




<2012年 ポーランド祭>
日時:9月21日(金)~23日(日)
11:00-19:00
場所:六本木ヒルズ O-Yane Plaza
















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2012/09/17

ヤノフ村の織物2012 オヒロメ


ポーランド祭@六本木ヒルズ、いよいよ今週末です。ポーランドから送った荷物も無事到着したようです。最近荷物の量が増えてきたりして、ポーランドからEU圏外への発送には書類なんかも必要で、荷物を送る際には、ポーランドの郵便局や、通関局なんかを当てにしなくちゃいけないので、毎回無駄にドキドキするのですが、無事到着。良かったです。ポーランド祭のSLOWARTブース、小さいですが、すこぶるたくさんお披露目品があるので、回転率にご協力を!


さて、夏前からオーダーしていたヤノフ村の織物も段々出来上がって来ました。民芸品は縫い物でも、編み物でも、切り絵でもなんでも時間がかかるものですが、やはり糸から紡ぐこの織物はグンを抜いて作るのに手間暇と時間がかかります。


今回は、ヤノフ村の5人の織手さん総動員で、織ってくれた織物の初回仕入れ分の中からクッションや小さめのタペストリーを中心に選んでお祭り用に送りました。

(ちなみにトップ画像は、ルドガルダさんが織った特大タペストリー。販売用に注文したのですが、あまりに素晴らしいので我が家の寝室に掛かることになりました。また、追加で織ってくださってるのでご安心を。)

人気の高い森や動物柄を中心に、新しいモチーフなんかもたくさんあります。

Alicja Kochanowska バンビ

Alicja Kochanowska トナカイ 

Danuta Radulska 冬の遊び 

Ludgarda Sienko トリとネコ

Danuta Radulska 家とうちのネコ 

Ludgarda Sienko トリシカ 

Ludgarda Sienko 生命の木 

Filomena Kurpowicz 花咲く木とトリ


 Ludgarda Sienko バイソンの森


Lucyna Kedzierska マゾフシャ地方の伝統的パターン

Lucyna Kedzierska マゾフシャ地方の伝統的パターン



すべて違う柄、色味、大きさのものなので、会場では手にとって一枚一枚ご覧くさだい。また、今回のポーランド祭でのお披露目を皮切に今年から来年にかけて札幌、東京、京都でも企画展を開催予定です。ヤノフ村では織物絶賛制作中です;)




<2012年 ポーランド祭>
日時:9月21日(金)~23日(日)
11:00-19:00
場所:六本木ヒルズ O-Yane Plaza


















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2012/09/13

テレサさんのLemko民族ピサンキ


9月21日(金)~23日(日)に六本木ヒルズで開催のポーランド祭。ピサンキは選りすぐりのポーランド各地のものを販売します。

なので今年春のピサンキ展の時に紹介できていなかった、ピサンキの話を。


今日は、ポーランド南部のTychy(ティヘ)というところに住む、テレサ・ドラパワさんのレムコ・ピサンキ。 このブログの読者で、<Lemkoレムコ>という名前を聞いたことがある方は、どれくらいいますか。私もポーランドなんかに来なければ、いや、ピサンキや東欧の民芸なんかに関わらなければきっと一生聞いたことのない単語じゃないかと思います。。。

左)スロバキアエリアのレムコ  右)ウクライナ・ポーランドエリアのレムコ

Lemko(wikiリンク)というのは、ポーランド・ウクライナ・スロバキアにまたがるカルパチア山脈に暮らしていた少数民族グループの名前。同じカルパチア山脈でも、フツル民族はウクライナ(東)よりに住まいをもち、レムコはスロバキア(西)よりに分布する民族のようです。今でこそ、国境が確立し、ウクライナやスロバキア、ポーランドという線引がなされていますが、古くはオーストリアやポーランドの領地であったりもした戦争や国境に左右された民族です。


ポーランドで一番有名なレムコは、映画にもなった画家のNikiforニキフォルでしょうか。彼はポーランド南部の山岳保養地クリニツァ・ズドロイというところ出身のレムコの子孫でした。(ちなみに、映画「ニキフォル」は日本でもリリースされていて、とても良い映画なのでオススメ。泣けます)

さて、やっと本題。そのレムコ民族のピサンキですが、Drop and Pullという方法で描かれ、ろうけつ染めで染められています。
スロバキアのレムコピサンキ


ドロップ・アンド・プルというのは、針状になったキストカの先端に蜜ロウをつけ、まさに蜜ロウを置いて(Drop)引っ張り(Pull)ながら模様をつけていく方法です。テレサさんに、実演してもらいました。


テレサさんのお道具箱。針状のものがキストカ


溶けたロウソクを針の先端につけ、タマゴの表面に置いていきながら模様をつけます 


エンボス状の色付き蝋を載せる場合は、ロウソクとクレヨンを混ぜながら絵付けをしていました


プルしているところ。緑色のクレヨンを溶かしたロウで葉っぱを描いています



レムコピサンキの模様。それぞれに意味があります。


テレサさんのところにおじゃましたのは、去年のクリスマスの頃。(後ろにクリスマスツリー)4月のイースターに向けてすでに沢山のタマゴを準備していました。

シンプルだけれど、洗練されたパターン


毎年、イースター前後に南部シロンスク県にあるグリヴィツェの美術館で開催されるイースターエッグコンクールに出品しているテレサさん。コンクールの受賞常連者です。各年の表彰状を見せてくれました。


このコンクールは私がいつも付き合っている民芸協会に登録しているような<民芸家>が参加するものではなく、県のアマチュアの人たちが参加しているコンクールなのですが、その技術の高いこと!

Leszek Jęczmyk

Klaudia Swoboda ダチョウのタマゴ

同じくポーランド祭にも出品予定のレシェクさん(上)やクラウディアさん(下)のエッチングエッグもコンクールの常連です。彼ら、一般的に趣味で作っているだけで販売なんかはしたことがないっていうので、驚きます!ピサンキの国の一般レベルの高さがわかりますね・・(シミジミ)

今日紹介したテレサさん、レシェクさん、クラウディアさんのピサンキはすべてポーランド祭で展示・販売していますので、ご覧になりに来てくださいね。日本で貴重なレムコピサンキなぞ売っているのは、きっとココだけ、この3日だけじゃないでしょうか;)


すべて一点物なので、お早めにどうぞ。



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