2010/10/31

ボレスワヴィエツの陶器ができるまで <その1>

ポーランドでも随一の陶器の町、ボレスワヴィエツに今週用事があり行ってきました。前回ボレスワヴィエツに行ったのは、夏の陶器市の時。今回はお店巡りに、陶器工場見学などもしてきました。

まずは、ボレスワヴィエッツ陶器の大手、Manufaktura社で工場見学。お皿から、マグカップ、貯金箱にクリスマスのオーナメントまでほんとうに様々な陶器の商品が作られています。工場の担当のおばさんに連れられ、見学が始まります。

これは、陶器の型。因みにリンゴ入れになるそう

この型を回転台にのせ、練った粘土をお兄さんがぶち込みます!
この作業で厚みや形が決定してくるので結構重要です

こちらでは、マグカップに取手をつけています

形が整ったら、いったん自然乾燥

その後、850度の電気窯で5時間焼きます

さて、いよいよ絵付け作業

ボレスワヴィエツ陶器といえば、スタンプで絵を付けていく目玉模様が有名ですが、アーティスト作品になると手描きの様々な作品があります。ボレスワヴィエツでは700人以上の絵付け職人さんが働いているそうです。

ずらり。みなさん自分の担当の商品の絵付けをしています。ポーランドの民芸や伝統作品は女性に支えられていますね。


<その2>に続く



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2010/10/25

コニャクフ村の話~ランジェリーで伝統レース産業を救え~


クラクフから、120km程南西に行った、チェコとの国境に程近い、シロンスク県の小さな村、コニャクフは、昔からレース編みと牧羊で有名な小さな村です。高級綿糸で編むその繊細なレース編みは、200年もの間、母から娘へ、またその娘へとこの地方の女性たちの間で伝えられてきました。


この地方の伝統衣装のひとつである、既婚女性がかぶるレースの帽子は、これが自ら編めなければ、お嫁には行けないというほど。この地方の女性たちの間で、レース編みの伝統は根づいています。

コニャクフのレースは、その美しさと質の高さから、過去には、(ポーランド出身の)法王ヨハネ・パウロ二世やエリザベス女王への献上品となり、又ポーランド各地の教会の祭壇を飾っています。


しかし、伝統的なレース産業も、近年は機械編みの格安レースやアジアからの輸入品などに押され、手編みの高価なレースのテーブルクロスなどは、売れなくなっていきました。

そこで、この伝統レースの生き残りをかけ、この村の女性達は、レース編みの技術を生かし、ランジェリーの制作を始めます。これが、国内外で大変な評判となり、衰退しかかっていた村の伝統が、再び盛り上がるようになりました。

Malgorzata Sanaszek (マウゴジャタ・サナシェック)さんが村の女性たちと始めた、コニャクフのランジェリーメーカー、KONI-Art。

もちろん、法王様にも献上した伝統レースを下着にすることには、批判的な意見もあったそう。あるレース職人の女性は、教会での懺悔の際、「レースで下着を編むのは罪なことなのでしょうか」と司祭に相談に来たそう(BBC news)。しかし、今ではこのランジェリーという新たな発想により、コニャクフのレースは再び活気を取り戻しました。KONI-Artでも、60人の職人が働いているそうです。

伝統は、伝統としてそのままの形で受け継ぐことも大切ですが、伝統を新たな文化や価値観の中で、変化させ、そこから<新たな伝統>を生み出す努力は、より素晴らしいものです。本日は、そんなコニャクフ村の話でした。


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2010/10/20

私のインドノスタルジーとTomasz Gudzowaty


最近また、とてもインドに行きたいなぁと思うことが多くなってきました。インドは、過去に仕事で一度、旅行で一度訪れましたが、そのたびに私は、インドの魅力にとりつかれて帰ってきます。そして、しばらくすると又とんでもなく、インドに行きたい病になってしまいます。ヨーロッパや日本にはない、非日常性やエネルギーに心の底からを揺さぶられるからだと思います。また、現代の効率社会を全面否定するような、<予測不可能性、計算不可能性、非効率性の魅力>に惹かれてしまいます。最近は、本棚をひっくり返し、自分の持っているインド書の「ガンジー自伝」から藤原新也の「インド放浪」、2年前に行ったグジャラートについて書いてある蔵前仁一の「わけいってもわけいってもインド」、たかのてるこの「ガンジス河でバタフライ」等々、夜な夜な風呂に浸かりながら、これらの本を読み返しては、インドノスタルジックに浸っているわけです。来年はインド行こう。。

ということで、本日はポーランド人写真家 Tomasz Gudzowaty (トマシュ・グゾヴァティ)のインドでの作品<Yoga Performers>をご紹介します。Tomasz Gudzowatyは、1971年ワルシャワ生まれの写真家です。彼の作品は、メインストリームやメディアでは報道されないマイナー競技の写真が多く、インドでの<ヨガパフォーマー>シリーズや、モンゴルの<ナーダム競馬>シリーズ、中国呉橋県の<雑技団>シリーズ等々を手がけています。彼の、競技だけではなく、競技者の内面を切り取るその写真は、World Press Photoのスポーツ部門でも賞をなんども受賞しています。

<Yoga Performers>と題された一連の作品は、3年に一度、インド各地からヨーギーやヨギーニ、ヨガ学校の修行者たちが集まって行われるクンブメーラのヒンディ祭の際撮影されたものです。ヨガのポージングをする競技者たちを写した写真は、瞑想と精神統一、悟りを目指す境地を同時に伝えているようでもあります。


Tomasz Gudzowaty website: http://www.gudzowaty.com/
上記ウェブサイトでは、彼の他の作品や、その作品の動画などもみることができます。

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2010/10/14

ボビンレースの里へ


ポーランド南部マウォポルスカ県にある小さな町Bobowa(ボボヴァ)は、ポーランドボビンレースの里です。ミラノやジェノヴァ、ブルージュで始まったボビン編みの技術が、16世紀にはポーランドにも伝えられ、特にこの小さな町ボボヴァの女性たちの間で盛んに作られるようになります。1899年には、この町にレース編みの学校も作られました。また、2000年から毎年10月のはじめの週末に<国際ボビンレースフェスティバル>が催さています。と、いうことで先週末、クラクフから約80km程のこの町で行われたボビンフェスに行ってきました。

小さな町のフェスティバルだからといって、中途半端なものではなく、フランス、ベルギー、イタリア、ドイツ、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ロシア等々からボビンレースの職人さんたちを招き、各国のレースを展示したり、各ブースで実演したりしています。フェスティバル中には、ボビンレースのファッションショーも開かれるのだとか。

さて、ボビンレースとは、どんなものかと言いますと、その名の通り、ボビンを使った編み物です。
これが↑ボビン。

そのボビンに(ポーランドでは)麻の糸を巻きつけて編みこんでいきます。

この道60年というユゼファおばあちゃんに実演してもらいました。

織り台の上に型紙がおいてあります。その型紙に合わせ、糸が巻かれたボビンを上に下にと交差させ、また交差点をピンで止めながらレースの模様を作っていきます。・・と書いていても理解不能ながら、実演を見せてもらっても、繊細・複雑なボビンレースの編み方はさらに分からなくなってしまいました・・・まさに職人技です。

フェルメールのこの有名な絵も、よく見ると女性がボビンをもって、織り台に向かって細いレースを編んでいます。

職人の熟練の技術を要する上、その緻密で繊細な見た目から、ボビンレースは、<糸の宝石>ともいわれています。

今私たちの身の回りにあるレースは、機械織りにとって変わられてしまいましたが、こうした職人の技術やそれにかける労力を目の辺りにするたび、手仕事で作られたレースは、そのもの以上の価値を持っているのだと、つくづくと実感します。伝統工芸とともに、その手仕事の価値をslow art では、より多く伝えていければ、と思っています。





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2010/10/12

街を楽しむ カジミエーシュ地区


今クラクフで最もおもしろい地区カジミエーシュ地区。最も面白いと言われる所以は、そこにある個性豊かな、カフェやギャラリー、ブティック、SOHO、雑貨店やアンティークマーケットの為です。カジミエーシュは、古い歴史ある街に、モダンでアーティスティックな雰囲気が相まって、「情緒を遊ぶ」ことのできる街です。一軒一軒お店を覗きながらショッピングするのもよし、アンティークマーケットでユダヤのオーナメントを眺めるのもよし、趣のあるカフェやバーでくつろぐのもよし。。もちろんシナゴグ見物をしてもよし。
ひとそれぞれの楽しみ方で楽しめる街です。

ギャラリー:SZALOM (シャローム)

雑貨店: Galeria Deccoria

古着:TOP VINTAGE

カフェ・バー: Trocadero

カフェ:Mleczarnia (ムレチャルニア)

アンティークマーケット

レストラン:ariel

ギャラリー:Polish Folk Art Gallery




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