2013/01/05

ヤノフ村の織物展2013 ~美術館倉庫へ潜入~


本日1月5日(土)から東京チェドックさんで開催中の「ヤノフ村の織物展2013」、おかげ様でたくさんのお客様にお越しいただいているようです。

さて、ヤノフ村の織物展を開催するにあたり、以前ヤノフ村があるポーランドのポドラシェ地方に行った際、県立美術館に立ち寄りました。ここには、ポドラシェ地方をはじめ、今は廃れてしまったポーランド各地方の二重織りの織物(ヤノフ村の織物がこの二重織りの代表的なものです)がたくさん保管されているんです。

貴重な織物の数々ですが、残念ながら展覧会でもない限り、普段は美術館倉庫に保管されており観ることができません。ただ、折角、日本でヤノフの企画をするのだから、実際にコレクションを見てみたい!と常に思っていました。

そこで、ヤノフ村の織手さんに相談したところ、民俗美術科の主任研究員であるヴォイチェッフ・コヴァルチク(写真上)さんを紹介してくました。ヴォイチェッフさんは、二重織りに関する本を出版されていたり、ヤノフ村の織物コンクールの主催や、この地方の民芸、工芸品を広めるためにポーランド各地で民芸市やフェスティバルを企画されていたりと、織物の発展に大変貢献されている方です。

ヴォイチェッフさんに美術館のコレクションを見せてもらうことはできないかと電話をしたとこと、なんと二つ返事でOK!とってもラッキーでした。

・・・ということで、ビアウェストク・ポドラスキ美術館の倉庫へ大潜入。コレクションを拝見させていただくことに相成りました。



上にも書きましたが、二重織りの織物はヤノフ村以外にも、ポドラシェ地方やマゾフシャ地方のポーランドの各村々に伝統的にありました。ただ、現在も織手が残り活動しているのは、ヤノフ村のみです。この倉庫には、18世紀や19世紀に織られた各地方の貴重な織物の数々が保管されています。大きな木製の箱を開けると、出てくる出てくる、大作の数々。


1900年台前半に織られた、マゾフシャ地方の織物。シカや人と一緒に、空間いっぱいに織られている幾何学模様や枠部分の力強い植物のデコレーションモチーフが特徴的


ヤノフの織物は村の生活などを描いたテーマ性があるものもたくさんあるのですが、1970年に作られたこの織物は、サッカーや自転車に乗った人が織られている、珍しいもの。伝統的な花模様とのコントラストがかわいらしいです。


1960年台にヤノフ村の近隣の村の織りてさんが織った織物。人、花咲く様々な木、ひよこに、鹿模様の枠。ステキ要素がふんだんに入っています。


こちらは、1935年にブランスクというところでおられた二重織りの織物。ビビッドな色使いが特徴的


古いブランスクの織物はダヌータさんのお宅にもありました。こちらも派手な色づかリとバラ模様。同じポーランドの二重織りの織物でも、ヤノフのものとはずいぶん雰囲気が異なります。


コチラは1970年代にアリチア・コハノフスカさんが織ったヤノフの織物。シカや花咲く木々が可愛らしい織物です。

1982年に織られたヤノフ村のトリ模様の織物。よく見ると、同じトリ模様でも織手さんによって違いがあるので、面白い発見です。

今回の展示・販売作品は、美術館で見せていただいた作品を参考に作ってもらったものもたくさんあります。


メインモチーフを人気のある森柄、枠を色違いのトリ柄でアリチアさんに織ってもらったコレとか。枠使いがかわいいでしょ

 
倉庫で見せてもらったタペストリーにあった羊を参考にした、ダヌータさんに織ってもらったちょっと珍しいひつじ柄とか。


よく見るとかわいい実のなる木とトリとか

チェドックさんでの展示風景。この中のどこかにあるはず(随時販売もしているのでもしかしたらもう販売済みの可能性あり)。上のトリ柄はクッションになって写真に写ってます!探してみてくださいね。「ヤノフ村の織物展」20日まで、東京チェドックザッカストアで開催中です。


次回はこの織物展の作品を作って下さった、織手さんの紹介をします。

ヤノフの織物に関する、お問い合わせ・ご注文は:infoアットslow-art.pl(アットを@に変換してください)までお願いします。


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