2016/01/25

マズーレの追憶の織り


ヤノフ村の織物展<マズーレ追憶の糸>は徳島の東雲さんから場所をうつして、東京・清澄白河のバハールさんで好評開催中です。



日曜日から月曜日にかけては秋元尚子先生のヤノフ織りの大人気のワークショップも開催され、大変賑わいのあるイベントになっています。

今回も、たくさんの織物を追加でポーランドからお送りしています。





毎回どこのお店でも売り切れ寸前の両面織りのバッグ(13000円~16800円)。今回の展示からダヌータさんの新作バッグが加わりました。まだまだ寒いこの時期にも、春先の装いにも合いそうな色合いのバッグです。取っ手は木製ハンドルがついていて、腕にかけて持ちやすいですよ。




人気のルドガルダさんのバッグも。優しい手織りの風合いがカジュアルな装いにも、かっちりしたルドガルダさん特有の模様がフォーマルな装いにも似合います。

さて、今回の展示のテーマ<マズーレ追憶の織り>のマズーレ地方を少しご紹介します。1000の湖の楽園ともいわれるマズーレはポーランド東北部に位置し、たくさんの湖や沼地、川が運河でつらなり、それを林や森、美しい村々が取り囲むまさに地上の楽園です。




私が訪れたのは昨年の夏。マズーレの織りを知りに、またマズーレの小さな町でひらかれた民芸市にも行ってみました。

8月のマズーレはポーランドや近隣諸国から観光客がおとずれ、たくさんのクルーザーやボートが大小の湖に浮かび、優雅な時が流れていました。また小さな村々や牧草地の周りには、無数の野の花が咲き誇り、美しいポーランドの原風景を感じることができます。




 林の中を散歩すれば、そこには野生の馬たちが。人工的なものが全くなく時間の流れが全く違う風景の中で、どこか違う世界に迷い込んでしまったようなそんな錯覚にさえ陥ります。






マズーレ地方は、ポーランドの東北部ということで、バルト三国や北欧からもほど近く、またドイツからの入植などがあったため、様々な文化の交差点でもありました。
この地方にも18世紀の初めにはヤノフ村同様、二重織りの文化がもたらされていました。しかし20世紀には工房がなくなり、すたれてしまいます。




マズーレ・ヴェングジェヴォの博物館に所蔵されている18世紀のマズーレの二重織り(作者不明)。


この地方の文様で特徴的なものが、幾何学模様。上の古い織物からもわかるように、何重にも植物モチーフの幾何学の連続文様が周りを取り囲み、中には人や動物、また中東のキリムにも似た独特の文様が織られています。

これを今年は、ヤノフ村の織り手さんが復元して、デザインしなおし、織ったのが今年のテーマでもある<マズーレ追憶の織り>というわけです。

先ほどご紹介したダヌータさんやルドガルダさんのバッグにもマズーレの伝統的な文様と、ヤノフ村の文様が一緒に組み合わされて織り込まれています



こちらはタペストリー。マズーレの織物に由来した<幾何学の組み合わせ>からヒントを得て、今年は、<色の組み合わせ>もリズミカルに取り入れた織物がたくさん誕生しました。








今回の、このマズーレの織りのデザイン再構築という作業は、ヤノフ村のすべての織りてさんが取り組みました。ここですべてはご紹介できませんが、様々な織りてさんの様々な解釈があるのが、展示では見て取っていただくことができると思います。すべての織物には織った方の名前のタグが付いていますので、お時間のある方はぜひ、そこも含めてごらんくださいませ。

今回のヤノフ村の巡回展は、どこでも大変好評をいただいています。ヤノフ村の織りてさんの熱意や、マズーレの伝統の灯が、お越しいただいているかたの心に届いているようで大変うれしいです。

ただいま開催中のバハールさんは1/26日(火)、27日(水)のお休みの後、28日木曜日からまたたくさんの織物とともに開店します。

たくさんのお越しお待ちしております。

Bahar
2016年1月21日(木)~2016年1月30日(土)
*26(火)27(水)はお休み

東京都江東区平野1-9-7
fukadaso 203
Tel 03-3630-3670
Open 13:00-18:00
http://bahar.bz/

今後の巡回予定
埼玉:rytas 2/5(金)~2/21(日)
神戸:kachua 2/27(土)~3/13(日)
東京:Ethnorth gallery 3/22(火)~4/3(日)
京都:いとへん 4/9(土)~4/24(日)



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