先日隣町のビドゴシチの美術館で行われている <Ethno-Design Yesterday and Today: Inspiration or Imitation>という展覧会に行ってきました。
ポーランドのエトノデザイン=伝統的なデザインが現在に至るまで、どのように各時代の商品やデザインに取り込まれてきたかというテーマの展覧会で、とても興味深く、面白かったです。
美術館の方に写真をとってもいいと許可をもらったのでいくつか撮ってきました。
展示は各コーナーごとに色分けがされており、緑が1800-900年初頭に作られたポーランド各地の伝統工芸品の展示でした。上の写真は、ウォヴィチやオポチノの刺繍が美しい民族衣装や、切り絵、コニャクフのレース、カシュブの刺繍、ザリピエのハウスペイントなどなど。
こちらは、右側にヤノフ村の織物、クルピエ(白い森)の刺繍ブラウスやクラクフの木工細工などが並べられています。どれも、オーセンティックな一級の伝統工芸品ばかり。
次の赤い部屋は1940-60年台の間に伝統的なデザインを取り入れてつくられたもの。この時期、工場での機械大量生産により、手編みのレースから機械編みのレースへ、手織りの布から機械織りの布へと消費と生産のスタイルが大きく変わりました。より低コストで作られるものが好まれはじめ、機械生産に伝統工芸品のデザインやスタイルは取り入れられるものの、伝統工芸品自体の需要はだんだんと減少していきます。
切り絵や刺繍の柄などがプリントされた布
黄色の部屋は2000年以降に作られたポーランドの若手のアーティストやデザイナーによるもの。 伝統的なデザインがより現代的にアレンジされ、時にはビビッドに、時には民族衣装も形を変えて取り入れられています。同じ素材を取り入れているものや、技術をとりいれているもの、パターンをアレンジしているものなどなど、伝統的なデザインが現代の生活に合わせて受け継がれています。
現代のデザイナーたちもアートのグローバル化の中で、伝統に回帰することで、自らのルーツ、オリジナリティを模索しているようでもあります。
ただ、ここで重要な事は、伝統的なデザインはインスピレーションであるべきで、イミテーションではいけないということ。伝統的なデザインというのは、長年にわたって沢山の人の手を経て受け継がれてきたものであり、そのデザインが「誰のものか」というのはとても定義が難しいのです。それを悪用し、作家に断りもなく単にコピーしたものをプリントして販売するという行為がポーランド中でまかり通っています。伝統とそれを受け継いでいる人への尊敬があってこその、エトノデザイン。買う側も良質なエトノデザイン商品を購入したいものです。
<ポーランドのイースターマーケット>
期間:4月17日(木)5月2日(金)■カントリーマーケット■
大分市中央町3-6-29
布屋ビル2F
Tel:050-3444-2545
営業時間:11:00-19:00
定休日:火曜日
http://countrymarket.jp/
主催:ツェラミカ(ポーランド陶器)SLOWART(ポーランド工芸品)
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