2011/07/16

道端のマリア

ヤノフ村のマリア様

今回のポーランドフォークロアツアーは、去年同様自転車での旅だったので、車の通行量が多い国道や県道は避け、遠回りでも小麦畑や牧草地の間を走り、畑仕事から帰ってくる馬車と並走し、コウノトリの巣を横目で眺め、時には林を抜けて目的地の小さな村々を訪ねました。

ポーランドの道を走っていると、家など一軒もない草原の一本道に十字架が花とお供え物と共にたっていたり、田舎の点在するどの家々の庭先にもマリア様を祭った祠があったりします。日本にも、田舎に行くと道端に神仏の祠や道祖神、お地蔵様が祭ってありますが、ポーランドの道端の十字架や軒下のマリア様からもそうした派手ではない民間の素朴な信仰を感じることができます。

ということで、今回は自転車旅行の途中で出会った祠特集。

ウォビッツの町を抜けて北に10km程走った農地あったマリア様。野の草花とともに、お供えしたばかりの生花が美しく像を彩っていました。

こちらも切り絵を買いに行ったウォビッツ近郊の村にて。聖体祭を明日に控え、キリスト像が祀られた祠は虹色のリボンで飾られていました。

  木の幹に備え付けてある小さなマリア様。ウォビッツの民族衣装を着ています。「自分たちのマリア」。民間信仰の深さが感じられます。

畑の脇にしつらえてあった背の高い祠。屋根には十字架と小窓部分にマリアのイコン。十字架やインコよりも祠のほうがよっぽど存在感があります。



 コチラは大作の石碑。聖母子像を中心に、聖人達やイエスの受難が刻まれています。イエスの手元に飾ってあった一輪の花が印象的。

 畑の真ん中をはしる一本道に建てられたマリア様と十字架の祠。マリアの純潔の象徴、白いユリが飾ってありました。静謐で凛とした佇まい。


 ポーランドのキリスト像で特徴的なのが、この悩めるキリスト像。腰をかけて、肘をつき考え込んでいるポーズのキリスト像がよくみられます。村の彫刻家が彫ったのでしょう。素朴なキリスト像です。一枚目は家の軒下に、二枚目は古民家博物館の敷地内で。


家は見渡すかぎりどこにもないのに、十字架はあるという事実。畑に一つ。庭先に一つ。 ポーランド北部ヤノフ村の郊外は、特にこうした十字架や祠が多く、人口以上ではないかと思ったほどです。信仰心の厚さを感じます。

 ペインティングアートが盛んなザリピエの十字架

こうして、ポーランド各地で道端の十字架や祠の写真をとっていると、小学校の頃、自分の住んでいた町の祠や道祖神、一里塚を自転車で回ってレポートを書くという夏休みの自由研究ををふと思い出しました。ポーランドの道端のマリア様は同じように、道祖神として人々の安全を祈り、畑の十字架は豊作祈願なのだなぁと感じます。祈りの対象や形は違えど、民間信仰としての願いはどこでも同じだと感じました。

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そうそう、前回の民族衣装特集。最後の民族衣装の方々は、ギリシャチームでした。実はおじさんの後ろに青と白の縞模様のギリシャの国旗がありました。 (コメントくれたノリさん正解!)南の熱い国なのに、革ずくめ、スカーフの温かそうな民族衣装が印象的でした。


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