2012/05/26

クルピエの切り絵 やかまし村の切り絵


クルピエの切り絵の続き。前回のチェスワヴァさんのお宅を後にし、自転車のパンクも無事直ったので15kmほど離れたとなり村のGenowefa Bączek (ゲノヴェファ・ボンチェック)さんのお宅を目指しました。


この地域にはあちらこちらにコウノトリの巣があります。この時期はちょうど雛がうまれて子育てをしている時期。途中何度もこの光景に出くわしました。


実 はこの時空はまだ晴れていたのに、この雲がどんどん黒くなり10分後には夕立が降り出しました。自転車だし、もう畑と林しかないようなところなので、とり あえず松林のなかに避難。ザーザー降る雨にびしょ濡れになりながら、自転車の荷袋から雨合羽を取り出しやっとの思いではおりました。松林の中では雨宿りに ならないので、結局ザーザー降りのなか出発。もう何もかもがビショビショ。。

夕立は幸い20分くらいでおさまり、その後はまた晴空に。

と、 そんな中やっと次の目的地ゲノヴェファさんのお宅に到着しました。大きな農家のゲノヴェファさんのお宅。びしょ濡れの日本人に驚くこともなく、温かくむか えいれてくれました。お父さんが客人が来たぞーと家の奥に声を掛けると、どんどん孫たちが出てくる。4-10歳くらいの子供たちが5-6人はいたかな・・ みんな家中・庭中を駆けまわってなんだかやかまし村みたい。


さて、ゲノヴェファさんの切り絵。ゲノヴェファさんの家族が代々切ってきた切り絵は、クルピエの一般的な単色のものとは一味違い、特徴的な多色の可愛らしい切り絵です。


切り絵の森美術館で展示中のゲノヴェファさんの切り絵


<-Polska Wycinanka Ludowa- Aleksander Brachowski 1986>より

レルーヤとよばれる切り絵の画集。一般的なものは単色ですが、左ページの中央のレルーヤと右ページのものがゲノヴェファさんのお母さんが作ったものです。

同 じ地域の切り絵でもこうしてみると、家族の特徴がわかります。そうして、この家族のモチーフと特徴をを代々かえることなく受け継いでいるというのも興味深 い点です。こうして、同じ物を受け継いでいくことで、必要のないものは切り捨てられ、必要で美しいものだけが洗練されて残っていく過程が伝統工芸品の一番 重要な部分ではないでしょうか。



畑仕事の暇を見つけては、作りためているという切り絵。一枚一枚綺麗に折線どおりに折られて新聞紙や雑誌のページの間に挟まって保管してありました。今は、孫たちにも教えているそう。

ゲノヴェファさんに譲ってもらってきた切り絵の森で展示中の切り絵の一部


Gwiozdy- <星>と言う名の切り絵の中央には、イースターのウサギたちと、イースターエッグのモチーフ。こんなに細かいものも、羊毛ばさみで切っているのだからすごい。


同じ鳥をモチーフにした多色の切り絵でも、ウォビッツのものとはやはり違う。この地域の特徴もあり、多色の可愛らしさもありゲノヴェファさんの切り絵は民俗研究資料としても価値があるのではないかと思います。


切り絵の森美術館で開催中の<ポーランドの切り絵>展ではクルピエの切り絵を60点、ウォビッツの切り絵を70点程展示しています。また、小さな作品は販売もしていますので、ぜひ実際にご覧にいらしてください。


合同会社 富士川・切り絵の森
〒409-2522
山梨県南巨摩郡身延町下山1597番地
TEL:0556-62-4111
会場 : 芝生ギャラリーと工芸館ギャラリー
開館時間 
 : 9:30~17:30(最終入館は17:00)
休館日 : 水曜日(祝日の場合は翌日)
入館料 : 一般700円 小中学生300円
団体割引(20名以上)一般600円 小中学生250円  会期: 
2012年3月24日(土)~6月24日(日)
web: http://www.kirienomori.jp/modules/art_museum/



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