2014/12/19

羊(の糸)をめぐる冒険 1


4年目を迎えたヤノフ村の織物展では、今年はじめて<身に付ける織物>である2重織りのストールをご用意しています。



普段の糸の1/10くらいの極細の絹とアルパカの混合糸を使い、これまでにない繊細で美しい織物のストールが完成しました。



展覧会初日に来てくださった織物教室の方々には、ただでさえ大変な2重織りで、こんなにも細い糸を使った細かい織りは考えられない、素晴らしい!との言葉もいただきました。

ただ、このストールが完成するまでには、色々な人の助けや、織手さんの並々ならぬ苦労がありました。



ヤノフ村の織物はご存知の通り、羊毛を紡いで作る織物です。 (写真はルドガルダさん)

たて糸を2重に張って、織る、という性質上、どうしても普通の織物よりも分厚く、ゴワゴワした印象になってしまいます。<身に付ける>という感じではないんですよね。



ただ、この織物の可能性をもっと広げたい!タペストリーやクッションのような飾りだけではなくて、もっと使えるものにしていきたいとずっと思っていました。そうすれば、もっと使用の幅も広がるだろうし、沢山の人に手にとってもらえるのではないかなぁと。


JanowX SLOWARTのストールプロジェクトが始まったのは、ポーランドでは一斉に緑が芽吹く今年の5月でした。うきうきと新しいことを始めるのにはとてもよい季節でした。


汚れを取り除いて、干している羊毛 

まずは、織手さんに相談しました。この村の2重織りでストールを作る方法。
やはり従来の手紡ぎの羊毛ではなかなか難しいんじゃないか・・とのこと。ウールといえば、やわらかな肌触りと、温かさの象徴のようなものなのに、なぜ!?(その答えは後ほど・・)

やはり、糸を変えるしかないのかなと思うのですが、前例がないので、いったいどんな糸を使えばいいのか検討がつかないのです!2重織りに適した細さは?機織りに耐えうる強度は?ウールにするのか、そしたらどんなウールがいいのか?それとも他の素材がいいのか?

いくつかあたった、織物の本や雑誌にも2重織りで織るストールというのは載っていなかったのです。それほど、2重織りにはこのアイディアは適していないのでしょうか。

そんな時、知り合ったのが、アリチアのウェブサイトでした。

アリチアのウェブサイト;http://www.weaverschronicles.com/


 (Copyright; Alicja Tyburska)

アリチアは、ポズナンで機織りのアトリエをもち、ストールやショールを織っています。その美しい手織りの作品に惹かれ、私はすぐに、彼女に会って、アドバイスをもらえないか連絡をしました。

(Copyright: Alicja Tyburska)

すぐに、返事は来て、快諾。なんと、彼女も以前ヤノフの織手さんたちに会ったことがあり、ヤノフの織物も所有しているとのことでした。

そうなれば、話は早い!とその週末には彼女の住むポズナンに列車に乗り出かけたのでした。


羊の糸をめぐる冒険2 に続く。



期間:12月9日(火)-12月28日(日)
   
チェドックザッカストア浅草
-1Fギャラリー-
東京都台東区駒形1-7-12
Tel:050-3596-9500
営業時間:12:00-19:00
定休日:22日(月)


SLOWART在廊:28日(日・最終日)
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info<アットマーク>slow-art.pl
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