2011/04/18

イースターに向けて~パルマの願い~

今から2週間前の日曜日。クラクフのリネック(中央広場)では民俗衣装をきたこんなかわいい宣伝隊が観光客に囲まれていました。<Palm Sunday(聖枝祭)の日はLipnica Murowana(リプニッツァ ムロヴァナ)へ!>と書いてあります。聖枝祭とは、イースターのちょうど一週間前の日曜日に行われるキリスト教では主のエルサレム入城を記念した行事です。キリストを迎えた信者たちがナツメヤシの枝などをもって行進したことから、現代でも人々はPalm Sundayの日のミサにはポーランド語ではPalma(パルマ)と呼ばれるナツメヤシやシュロの枝を模した飾りをもって教会に行き、聖成してもらいます。今年は昨日4月17日でした。

おなじみ、ウォビッツの切り絵にもこのようにしてpalmaをもって教会に通う人達が描かれています。昨日は、切り絵のように民俗衣装さえ着ていませんが、街にはそこここにパルマをもった人達のこんな光景が見られました。

さて、キリスト教の前置きがながくなりましたが、本題のパルマがこれ。

エルサレムのように熱い土地ではヤシの枝が用いられましたが、ポーランドにはヤシがないのでポーランドのPalmaは乾燥した麦の穂や柳の木、イチイ、セイヨウツゲ、ツノキなどで作られ、カラフルな毛糸やリボンで装飾してあります。なかなかカラフルでかわいいでしょ。

こちらは先日おとずれたリトアニア、ヴィリニュスのパルマ。色々な穀物の穂や草が使われています。装飾も春めいていて素敵。

さて、冒頭のLipnica Murowana村(クラクフからは南に60km程)の<パルマフェスティバル>では、最も長いパルマを作るコンテストが毎年聖枝祭の日曜日に行われます。


言い伝えによれば、長くて太いパルマは作った人に長生きと幸せをもたらすとか。今年はZbigniew Urbański(ズビグニエフ・ウルバンスキ)さんの作った36.04mのパルマが優勝したそう。ズビグエフさんは2009年からずっとパルマコンテストの勝者。きっと一年間この日の為にコツコツと準備をしているんだろうなぁ。

天までのびろパルマ

パルマの言い伝えは他にも
●呪いや火事・災難から人や家畜を守る
●パルマには麦や穀物の穂、実などが使われることから豊作をもたらす
●窓際にパルマをつるすと雷から家を守る
●聖成を受けたパルマは家族を病気から守る

などなどお守り的な役割を果たすとされているようです。

さて、もうそろそろイースター!

楽しいイースターマーケットの様子を次はお伝えします。


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2 件のコメント:

  1. SLOWARTさん、パルマや聖枝祭についての詳しくてわかりやすい解説、どうもありがとうございます!

    旦那に聞いても、「さぁ、なんだっけ?」だし(笑)、調べると説明が専門的過ぎたりで、いまいち理解できていなかったのですが、こちらの記事のお陰ですっきりしました。

    パルマコンテストなるものがあるのですね~ 毎年優勝してる方、すごいですね。ほんと、この日のためにコツコツと準備なさっているのでしょうね。

    パルマのその後についても知らなかったので、勉強になります。

    近々ブログにパルマをアップしようと思っているのですが、すごくわかりやすい解説と綺麗な写真なので、もし差し支えなければこちらの記事のリンクを貼らせてもらってもよいでしょうか。よろしくお願いします!

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  2. >ちぇこらどかさん
    私もパルマだとかキリスト教の色々について知ってのはポーランドに来てからです;)自分がカトリックでなくても、ここにいるとやっぱりキリスト教が生活に密着しているのを感じますよね。

    リンクもちろん大丈夫です。ちぇこさんのブログも楽しみにしてます!

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