2010/07/23

古民家ノスタルジア ~その2 東の風~



前回の記事でお伝えした、ポーランドの野外古民家博物館のつづき。今回旅したのは、ポーランドの東側の地域のみでしたが、それでも、よく見てみると、内装や家の作りが違います。








ワルシャワが県都でもある、Mazowsze(マゾフシャ)県(地図右中央の青い地域)と、ベラルーシとの国境、ポーランドの北の東の端、Podlasie(ポドラシェ)県(地図右上のピンクの地域)の民家を比べてみます。

マゾフシェ県の古民家

昨日も、お伝えしましたが、祭壇は民芸の切り絵や紙の花で飾られています

ベッドにかかっていいたのは、今はなくなってしまったマゾフシャ県Tumanek(トゥマネック)の鮮やかな織物
Tumanekに伝えられた、伝統的な4つのモチーフで構成されています。

くす玉のような天井飾り

悩めるキリスト像を祭ったカトリックの小さな祠

一方、ベラルーシとの国境が10km先にあるという、ビャウォヴィエジャの森周辺の古民家では、内装やチャペルに、ベラルーシ(ロシア)の強い影響が見て取れます。

博物館に移築された、昔の農家の家。木造、茅葺(かやぶき)屋根の家です。
北東に位置するこの地域の家ですが、冬の寒さは、どんなものだったのでしょうか・・・

部屋の祭壇。イコンにかかっているのは、rushniky(ルシュニキ)。刺繍と、レースで飾られており、ベラルーシやウクライナでは、宗教上の祈りの布として、民間に広まりました。イコンを包むように、かけます。

キリル文字が書かれた、刺繍布(因みに、ポーランドは、アルファベットです)

風車小屋。小麦粉をひいたり、菜種油を絞ったりしていました。

写真では、小さくて分かりづらいのですが、右端の十字架は、ロシア正教会の十字架です。このチャペルは、ロシア正教会のもの。ポーランドは国民の90%が、カトリック教徒の国といわれますが、北東の、ポドラシェ地方には、カトリック教会、ロシア正教会、ユダヤ教のシナゴグ、モスク(ポーランドタタール人の為のもの)が混在しています。道路沿いの宣伝用の看板もキリル文字で書いてあったり、土地の人のポーランド語もロシア風なまりがあったりと、東の影響を強く感じます。

昔の田舎の人々の暮らしや、文化をを垣間見ることができる、郷土博物館。古民家ノスタルジアでした。







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