2010/07/25
コウノトリ観察記
ポーランドには、春先から、秋にかけ、多くのコウノトリ(詳しくは、くちばしが赤いシュウバコウ)がアフリカ大陸から渡ってきます。コウノトリたちは、春の訪れを知らせるとともに、子宝の象徴でもあります。豊かな自然や、伝統的な農法を今でも続けるポーランドには、世界中の1/4のコウノトリが飛来し、産卵、子育てをするといわれています。毎年、5月31日は<コウノトリの日(Dzień Bociana)>という日まであり、その年に飛来したコウノトリの観察会が行われたり、子どもたちへの自然教育の日でもあります。
今回私たちが旅した、マゾフシャ県やポドラシェ県は、森や湖などが多く、コウノトリの巣がそこここに見受けられました。自転車で旅をする醍醐味は、ゆっくりと草花を観察したり、自然を眺めたり、時には立ち止まって、コウノトリの巣を探したり出来ることです。そのうちのいくつかの出会いについて。
こちらは、私たちが泊ったペンションの敷地内のコウノトリの巣。ここの敷地内には、4つも大小の池があり、蛙が住んでいて、夜は大合唱になります。コウノトリにとっては、格好のえさ場。その為、毎年、ここの巣を求めて、何匹かのコウノトリのペアが奪い合いを繰り広げるそう(笑)。あいにく写真を撮った時は、餌を探しに出ていて、不在中。
こちらは、家の煙突の上に作られた巣のうえで子育て中。自分の家の屋根に、コウノトリが巣を作って住んでいるなんて、本当に子宝に恵まれそうです。屋根の上や木に巣を作るとよく言われる、コウノトリですが、最近は、電柱の上が一般的です。それだけに、屋根の上のコウノトリの巣は、やっぱりありがたい気がします(笑)
因みに、ポーランドには自分のうちのそばのコウノトリの巣がどこにあるのかを調べられるサイトや、Bocian-online (コウノトリオンライン)といって、実際にコウノトリの巣に設置されたオンラインカメラから24時間生中継で、コウノトリの子育ての様子を見ることができるサイトもあります。子どもたちが、成長する姿を目の前でみることが出来て、とても面白いです。卵の時から見守ってきた、コウノトリの子どもが旅立っていく姿など、自分の子どものようで、若干泣けます(笑)
切り絵のモチーフにもなっているコウノトリ。本当に、ポーランドの田舎の暮らしになじんでいるコウノトリ達。コウノトリは、自然や、伝統農法により守られている豊かな生態系を好む、環境指標生物でもあります。開発が進むポーランドですが、世界の1/4のコウノトリが飛来する美しい田舎の風景は決してなくなってほしくはないものです。
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