最寄りの駅は25Km先。又その最寄りの駅にも、近くの大きな街からは一日に電車が4本しか来ないという、ポーランドの奥の奥の小さな村、Janów(ヤノフ)。しかし、ポーランド、ポドラシェ県の小さな村ヤヌフは、ポーランド伝統工芸の世界では、ちょっとした有名な村です。ここには、今も伝統の織物を織り続けるおばあさんたちがいます。今回の旅では、ヤノフの織物を継承する5人の職人さんを訪ねました。
Teresa Pryzmontさん。前の日に行ってもいいですかとお願いしたのに、快く迎え入れてくれました。自家製のコンポートに、ポテトパンケーキまで用意して。「さぁさぁどうぞ、これは、私の宮殿よ」と、案内されたのは、大小3台の機織り機が並ぶ、なんとも温かい、工場(こうば)。地元の小学生なども見学に来るという、テレサさんの仕事場で、ヤノフの織物ができるまでのお話が始まります。
糸紡ぎ車で、手と足で羊毛から、細い糸を紡ぎだしていきます。この糸車は100年ほど前のもの。
古いほうが、使いやすいのだそう。
ボビンに紡ぎとられた糸。このボビンをひとつ紡ぎあげるのには1日かかるそうです。
その後、機織り用に、この糸を2本どりにします。これで、又半日。ここまで、こだわり、時間をかけて、羊毛から糸を紡ぐ職人は今は、ヤノフでも3人だけです。まさに、手仕事の極みです。
その後、機織り用に、この糸を2本どりにします。これで、又半日。ここまで、こだわり、時間をかけて、羊毛から糸を紡ぐ職人は今は、ヤノフでも3人だけです。まさに、手仕事の極みです。
これでやっと、織りが開始できます。ヤノフの織物は、表裏2面の糸を交替させながら織る2重織りです。表も裏も、色違いの同様の模様を楽しめます。糸を交差、浮沈させながらモチーフを織りだしていくのですが、1ライン(糸一本分)を織るのに3分くらいかかります。又、この年代物の、機織り機が重い! 本当に、根気のいる職人の仕事です。こうして、クッションサイズのものから、絨毯や、タペストリーなどを織りあげます。
こちらは、ヤノフに伝わる、伝統の柄
壁には、テレサさんの勲章の数々
壁には、テレサさんの勲章の数々
昔は、ポーランドの多くの村々にもあった、民芸品の織物は、今では、なくなりつつあります。機械織りの絨毯は、安くてきれいだけれど、ここで触れた、手仕事の価値をもつ絨毯には、決して及びません。糸を紡いで、染色して、時間をかけて織りあげた、織物には、職人の思いも込められています。
次の記事では、他の職人さんを訪ねます。
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