今回訪れた、ウクライナのコロミーヤには世界で唯一のピサンキ(イースターエッグ)博物館があります。小さな地方都市にある博物館ですが、世界中のピサンキファンにとっては有名なピサンキの聖地です。建物は上の写真の通り。まさに、ピサンキ。この博物館には、ウクライナ全土のピサンキはもちろん、東欧地域の様々なピサンキ、その他トルコやイスラエル、エジプト、インドなどの貴重なピサンキも展示しています。地域や宗教は違えど、多くの土地でタマゴは生命の誕生のシンボルとしてとらえられ、信仰の対象になっていたことがよくわかります。
ピサンキ博物館に展示してあるピサンキの多くは、ある方法で耐久性を高め、年月がたっても展示、保管し続けられるよう補強がなされています。ピサンキ博物館ディレクターのカテリナさんが博物館の裏側に案内してくれました。
その方法とは、
殻の内側に補強用の紙を貼り付け
再び閉じる
再び閉じる
という方法。上の写真、既に半分に割って補強がなされ修復されたあとの写真なのですが、割れ目のあとがまったく分かりません。肉眼でよーくよーく見てみましたが、どこが割れ目であるのか、これが補強後であるのかさえわからぬ完璧な仕上がりで驚きました。下記、動画を作りましたので詳しくはコチラを御覧ください。
このように補強しておけばタマゴが中から腐っていくこともなく、落下しても壊れる心配もないのだそうです。この補強方法は、同じくコロミーヤにあるフツル民族博物館にて開発され、現在同博物館やピサンキ博物館に展示されているピサンキのほとんどがこの方法で補強、修復されています。
このように補強しておけばタマゴが中から腐っていくこともなく、落下しても壊れる心配もないのだそうです。この補強方法は、同じくコロミーヤにあるフツル民族博物館にて開発され、現在同博物館やピサンキ博物館に展示されているピサンキのほとんどがこの方法で補強、修復されています。
因みに私はさすがに完成したピサンキで試すのが怖くて普通のタマゴで試してみましたが、きれいに2つに割れず苦戦。その後傷ついたピサンキがあったのでそれで試したところ意外に綺麗に割れました。もしかしたら、ピサンキ製作時に使う染料やニスの層が殻を守っていて、砕けることなく割れたのかもしれません。ピサンキをご自分で製作される皆さんも、大切なコレクションや作品を保存するためこの方法を試してみてください。
<東欧イースターエッグの世界展>
■ 2011.6.7(火)~6.29(水) 長野le petite marché
長野県伊那市富県1777-557
tel:0265-96-0657
営業時間:11:30~21:00 不定休
http://www.owari.ne.jp/~petit/event.html
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素晴らしい手作業ですね。
返信削除まさに職人技という感じがします。
卵の柄も素敵ですね。一つ一つ違っていて味があって。
YURATAさん
返信削除本当ですよね。まさに職人技。
ウクライナのピサンキの柄には一つ一つ意味が込められており、贈る相手によってシンボルを書きわけるそうですよ。たとえば、好きな女性に送るときは愛のシンボルケシの花。家内安全は蛇腹模様などなど。本当にピサンキの世界は奥深いです。
普通、イースターエッグは穴を開けて中身を出してから作ると思っていたのですが、動画の卵は中身入ったままですね。ピサンキの一部は中身有りのまま作るのでしょうか⁇
返信削除きゃ さん
返信削除販売されているピサンキはたいてい中身をだして売られています。ただ、この美術館に収蔵するように集まってくるピサンキは生の状態のタマゴが集まってきます。おそらく、これは美術館のアーティストへの要望で、このように処理をすると、空のピサンキよりも頑丈に補強でき、薄皮などの処理もできるため、より半永久的に保存できるからだとおもいます。
返信有難う御座いますm(_ _)m
削除成る程
後、返信頂いた内容を読んで思ったんですが、より、芸術的な完成度を上げるのであれば穴の空いた物より卵の回りに隙間無く書いてあった方がより完成度は高いですものね